著者
服部 一秀 関戸 宏樹
出版者
山梨大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 = Journal of Applied Educational Research (ISSN:18816169)
巻号頁・発行日
no.25, pp.37-51, 2020-03

本稿は,歴史教育における博物館展示の新たな活用の可能性について,具体的な学習指導計画「山梨県立博物館が語る歴史」を通して明らかにするものである。この「山梨県立博物館が語る歴史」は,高校歴史教育の導入段階において,パブリックヒストリーとしての身近な博物館の歴史展示についてメタ的に分析検討する学習の一つのモデルである。歴史展示をヒストリー学習において過去の史料として取り扱うのではなく,メタ・ヒストリー学習において現在の歴史叙述として取り扱う。これは,教師の指導のもと,生徒が博物館の歴史展示の構築性を分析し,さらに正当性を吟味検討することにより,その後の学習で歴史展示の有り様や望ましい在り方について取り組んでいくための基本的な理解や視点,意識を身につけるものである。

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