著者
吉村 小百合 浅野 クリスナ 中根 明夫
出版者
東北女子短期大学 研究活動推進委員会(紀要・年報部会)
雑誌
東北女子短期大学紀要 (ISSN:24351385)
巻号頁・発行日
no.58, pp.70-79, 2020-03-19

青森県においてサケの頭部が大量に廃棄されることから,再利用の目的で鼻軟骨からプロテオグリカンを抽出し,さまざまな機能性の検討が行われてきた。我々は,これまでサケ鼻軟骨プロテオグリカン(PG)の抗炎症作用を見出し報告してきた。細菌が引き起こす炎症を始めとして,自己免疫疾患やアレルギー,肥満誘導性炎症などのモデルマウスを用いて,PG の抗炎症作用を報告した。興味深いことに,1 型ヘルパーT細胞(Th 1)やTh17 細胞からの炎症性サイトカイン産生を抑制することにより炎症反応が過剰にならず,制御性T 細胞の促進により免疫細胞を調節し,炎症を抑制することが考えられた。しかし,摂取されたPG が腸管からどのように病巣まで到達し,免疫を調節しているかという疑問が残る。従って,腸管細菌叢の変化が免疫に影響することが知られているため,PG 経口摂取したマウスの腸内細菌叢を解析した。短鎖脂肪酸産生菌や乳酸菌が増加し,疾患に関係する細菌が減少することから、PG の経口摂取が腸内環境を改善し,免疫調節に寄与したと考えられた。本総説では,これまでの炎症性疾患に対するPG の抗炎症効果の特徴をまとめ概説する。

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IBDでは体重減少及び腸管組織の異常が確認されるが、PGの経口摂取によりこれらの臨床症状が緩和することが確認された。 CiNii 論文 -  サケ鼻軟骨プロテオグリカンによる抗炎症作用の特徴 https://t.co/cq4dP20ihx #CiNii #IBD #クローン病 #潰瘍性大腸炎

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