著者
北山 育子 今井 美和子 安田 智子 澤田 千晴
出版者
東北女子短期大学 研究活動推進委員会(紀要・年報部会)
雑誌
東北女子短期大学紀要 (ISSN:09142711)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-8, 2019-02-08

【目的】青森県に残されている特徴ある家庭料理について聞き書き調査をし、主菜を中心としたおかずの特徴を明らかにすることを目的に報告する。【方法】平成25年~27年に、県内を6地域に区分し、津軽、下北、南部地域の計25地区で調査した。調査対象者は41名で60~80歳代であった。さらに、平成29年~30年に4ヶ所において取材、料理撮影を行なった。【結果】本県は新鮮な魚介類が入手し易い環境であるため、豊富な魚介類中心の主菜があげられた。特徴としては、魚の乾物を利用した料理や、豊富にとれる米を利用した飯ずしなどが見られた。また、冬が長く厳しいため、魚介類をたっぷり使用した汁物が各地域であげられた。地域別では津軽地域で魚介類の加工品を利用した料理のほか、甘い味付けの茶碗蒸しなどが見られた。下北地域では鮮度の良い魚介類を利用した刺身や焼き物、南部地域で馬肉料理も見られた。
著者
吉村 小百合 浅野 クリスナ 中根 明夫
出版者
東北女子短期大学 研究活動推進委員会(紀要・年報部会)
雑誌
東北女子短期大学紀要 (ISSN:24351385)
巻号頁・発行日
no.58, pp.70-79, 2020-03-19

青森県においてサケの頭部が大量に廃棄されることから,再利用の目的で鼻軟骨からプロテオグリカンを抽出し,さまざまな機能性の検討が行われてきた。我々は,これまでサケ鼻軟骨プロテオグリカン(PG)の抗炎症作用を見出し報告してきた。細菌が引き起こす炎症を始めとして,自己免疫疾患やアレルギー,肥満誘導性炎症などのモデルマウスを用いて,PG の抗炎症作用を報告した。興味深いことに,1 型ヘルパーT細胞(Th 1)やTh17 細胞からの炎症性サイトカイン産生を抑制することにより炎症反応が過剰にならず,制御性T 細胞の促進により免疫細胞を調節し,炎症を抑制することが考えられた。しかし,摂取されたPG が腸管からどのように病巣まで到達し,免疫を調節しているかという疑問が残る。従って,腸管細菌叢の変化が免疫に影響することが知られているため,PG 経口摂取したマウスの腸内細菌叢を解析した。短鎖脂肪酸産生菌や乳酸菌が増加し,疾患に関係する細菌が減少することから、PG の経口摂取が腸内環境を改善し,免疫調節に寄与したと考えられた。本総説では,これまでの炎症性疾患に対するPG の抗炎症効果の特徴をまとめ概説する。
著者
小林 由美子
出版者
東北女子短期大学 研究活動推進委員会(紀要・年報部会)
雑誌
東北女子短期大学紀要 (ISSN:24351385)
巻号頁・発行日
no.58, pp.18-24, 2020-03-19

ハンドベルは、カスタネット、鈴、タンバリンなどと同様に、幼児にとって持ちやすく奏でやすい楽器である。しかし、幼児用の楽譜を見ると、ハンドベルはメロディーを奏でるようになっているものがほとんどで、メロディーの音を何音か担当し、間違えないように緊張して待つのでは、折角のハンドベルを楽しむことができないように思う。私は、幼児が無理なくハンドベルを楽しむためのやり方を試行錯誤し、全体を2 つか3 つのグループに分け、各グループにⅠ、Ⅳ、Ⅴ 7 の和音のどれかを担当させ、奏でるときに、ぬいぐるみなどを使って合図をすることにより、大勢で奏でる連帯感も生まれ、余裕をもってハンドベルの持つ華やかな響きを楽しむことができるように思った。又、音域を広げたり、同じ和音を分散して奏でるなど、身近な曲を使って楽しんで行えたやり方を書かせていただいた。
著者
兼平 友子
出版者
東北女子短期大学 研究活動推進委員会(紀要・年報部会)
雑誌
東北女子短期大学 (ISSN:09142711)
巻号頁・発行日
no.57, pp.38-44, 2019-02-08

学習指導要領の改訂で、知識・技能の質を高めるために、全ての教科で育成すべき能力として「①知識及び技能、②思考力、判断力、表現力等、③学びに向かう力、人間性等」と整理された。このことは、学びを深めるためには、自ら主体的に取り組み、広い視野で考えられる思考力や判断力や表現力の育成が必要だということになる。そのため、主体的・対話的な学びができる授業づくりをしなければならないとされている。主体的・対話的な学びとなるには、子ども同士の学び合いはもちろん、子どもと教師・教職員、教職員同士、学校と地域・家庭等、教師以外の子どもを取り囲む人たちと協働につながりをもちながらつくり上げていく学びを提供することで、質の高い学びができると考える。 そこで本研究は、幼児期から児童期にかけてつながりをもちながら、主体的・対話的な学びがなされるための「協働性」を取り入れた学びのあり方について考えていくものである。