著者
川久保 和子 尾島 喜代美 小谷 千晴
出版者
足利大学看護実践教育研究センター
雑誌
足利大学看護学研究紀要 = The bulletin of science of nursing research (ISSN:24350176)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.67-77, 2020

【目的】改正法成立後の脳死・臓器移植に関する先行研究を概観し,また,看護師が実際の移植現場で感受した内容や意識を明らかにすることで,看護師に必要となる支援について示唆を得る。【方法】医学中央雑誌Web 版,CiNii を用い,「脳死」「臓器移植」「看護」をキーワードに過去10 年間の文献を検索し研究動向を検討した。さらに,研究条件を満たした6 文献の内容を検討した。【結果】先行研究を年次別にみたところ年々減少傾向にあり,看護師自身に向けられた研究は少なかった。文献内容から,看護師は移植医療に対する戸惑いや複雑な感情を抱いていた。また,臓器提供マニュアルを読んだことがない割合が多く,知識不足により看護実践の場面で消極的な態度となっていた。【結論】移植医療に携わり職務遂行と人間の生死との狭間で苦しむ看護師に対し,看護師自身が抱える困難を表出できる支援が必要である。また,移植医療に対する知識獲得と,看護師自身が死生観について考え続けていくことが重要である。(著者抄録)

言及状況

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