著者
濵名 元之
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学大学院研究論集 (ISSN:18836364)
巻号頁・発行日
no.14, pp.56-76, 2020-03-20

本稿では障害者に対する就労支援の観点から、特別支援学校高等部における進路指導実践に着目した。現在、発達障害を主とした障害の多様化が、知的障害を対象とする特別支援学校に対する教育的支援を中心としたニーズの多様化と深く結びついている。そこで、筆者はニーズの多様化が高等部生徒に対する現在の進路指導にどのような影響を及ぼしているのか、現状を把握するため、特別支援学校高等部の進路指導と特別支援教育に関する調査を実施した。生徒の「在学中」と「卒業後」の進路指導・支援を担う特別支援学校高等部の進路指導は、教育と福祉、就労支援という複数の要素が混在していることが把握できた。また、進路指導において中心的担い手となる者は「進路指導教諭」であった。この研究の調査内容と関連する文献を確認しつつ、特別支援学校高等部における進路指導は、在籍する生徒に対してこれまでいかなる役割を果たしてきており、今後、進路指導においていかなる専門性が期待されるのか、課題を探り検討と分析を行った。 なお、本稿は平成30 年度四天王寺大学大学院に提出した修士論文の一部を再編集し、大幅に加筆修正したものである。

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