著者
嶺井 正也
出版者
専修大学教職課程協議会
雑誌
専修大学教職教育研究 (ISSN:24360554)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-10, 2021-02-28

1994年6月にユネスコとスペイン政府がスペインのサラマンカで開催した「特別ニーズ教育世界会議」で採択された「サラマンカ宣言」はインクルーシブ教育を国際的に初めて明示した文書であった。それから25年を経た2019年にはサラマンカ宣言を「遺産」として位置付け、あらためてインクルーシブ教育の重要性を確認する作業が行われた。本論ではその確認作業をフォローしつつ、まず、統合教育からのインクルーシブ教育への転換が明確になったのはサラマンカ会議の前段に行われた1992-93年の地域会議においてであることを明らかにした。次に、近年、社会的包摂とインクルーシブ教育の相互関連が論議されているが、それはどの時点あたりから関連するようになったかを検討した。しかし、この点については結論を得られなかった。

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