著者
太田 泰雄
出版者
The Genetics Society of Japan
雑誌
遺伝学雑誌 (ISSN:0021504X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.169-175, 1962
被引用文献数
1 3

1. トウガラシ辛味の遺伝について, 定量的研究をおこなった。辛味成分 capsaicin の定量は閾値法による簡便法を考案し, これによった (Table 1)。<br>2. 甘親として <i>C. annuum</i> の大獅子 (P<sub>1</sub>, capsaicin 含有率0.05%) と伏見甘長 (P<sub>2</sub>, 0.05%), 辛親として八房 (P<sub>3</sub>, 0.25%), 鷹の爪 (P<sub>4</sub>, 0.30%) および <i>C. frutescens</i> Ac 1443 (P<sub>5</sub>, 1.00%) を用いた。<br>3. 甘(♀)×辛(♂)の交雑でえた果実の測定から, メタキセニア現象は認められなかった(Table 2)。<br>4. 甘×辛のばあい, 正逆交雑で差は認められない。F<sub>1</sub> は辛親と同じ程度の辛さ, F<sub>2</sub> および BF<sub>1</sub> では甘親程度から辛親よりさらに辛いものまで分離し, その度数分布は二頂曲線となる (Tables 3, 4 および Figs. 2, 3, 5)。<br>5. 辛×辛のばあい, F<sub>1</sub> はより辛い親と同じ程度の辛さ, F<sub>2</sub>, BF<sub>1</sub> および BF<sub>2</sub> は巾の広い連続変異を示す (Table 5 および Fig 6)。<br>6. 以上の結果, トウガラシの辛味に関して単純な分離は認められず, さらに多数の個体を用いて実験をおこなう必要がある。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 5 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? トウガラシの辛味に関する生理学的ならびに遺伝学的研究 V : 辛味の遺伝,1962 http://ci.nii.ac.jp/naid/130000057102
こんな論文どうですか? トウガラシの辛味に関する生理学的ならびに遺伝学的研究 V : 辛味の遺伝,1962 http://ci.nii.ac.jp/naid/130000057102
こんな論文どうですか? トウガラシの辛味に関する生理学的ならびに遺伝学的研究 V : 辛味の遺伝,1962 http://ci.nii.ac.jp/naid/130000057102
こんな論文どうですか? トウガラシの辛味に関する生理学的ならびに遺伝学的研究 V : 辛味の遺伝,1962 http://ci.nii.ac.jp/naid/130000057102
こんな論文どうですか? トウガラシの辛味に関する生理学的ならびに遺伝学的研究 V : 辛味の遺伝,1962 http://ci.nii.ac.jp/naid/130000057102 1. トウガラシ辛味の遺伝について, 定量的研究をおこなった。辛味成分 capsaicin の定

収集済み URL リスト