- 著者
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浅野 良輔
堀毛 裕子
大坊 郁夫
- 出版者
- Japan Society of Personality Psychology
- 雑誌
- パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.2, pp.129-139, 2010
- 被引用文献数
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本研究の目的は,失恋に対するコーピング(未練型,拒絶型,回避型)が,失恋相手からの心理的離脱を介して,成熟性としての首尾一貫感覚(Antonovsky, 1979, 1987)を予測するという仮説を検証することであった。過去1年以内に失恋を経験した大学生114名(男性60名,女性54名)を分析対象とした。対象者は,最近経験した失恋に対するコーピング,失恋相手からの心理的離脱,人生の志向性に関する質問票(首尾一貫感覚)の各尺度に回答した。構造方程式モデリングによる分析の結果,(a) 心理的離脱は首尾一貫感覚を直接的に向上させ,(b) 心理的離脱を介して,未練型コーピングは首尾一貫感覚を低下させる一方,回避型コーピングは首尾一貫感覚を向上させ,(c) 拒絶型コーピングは首尾一貫感覚を直接的に低下させることが示された。以上の結果から,失恋および継続中の恋愛関係と,成熟性としての首尾一貫感覚との関連性が議論された。