著者
奥村 純市 村松 達夫
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.345-350, 1978
被引用文献数
1

無蛋白質飼料へのアミノ酸添加による窒素節約作用を,ニワトリヒナを用いて,体重減少および窒素出納を指標として調べた.アミノ酸の添加量は,飼料1kgあたり20.1m molであり,これは0.3%のメチオニンと等モルである.単一アミノ酸の体重減少に及ぼす効果は有意差がみられなかったが,メチオニン,アルギニン,スレオニンを組み合わせて給与した場合には体重減少が有意に改善された.メチオニンの添加は窒素出納を有意に改善したが,メチオニン,アルギニン,スレオニンの組み合わせ添加は窒素出納の改善の傾向を示したものの有意ではなかった.その他のアミノ酸の添加で体重減少改善の傾向を示したものは窒素出納を改善する傾向も示したが有意差はなかった.無蛋白質飼料あるいはそれにメチオニンおよびアルギニンを添加したものを給与したヒナの腸管内の総窒素を分析したが,その結果からはこれらのアミノ酸を添加することによって内因性窒素の再利用が多くなるという証拠は得られなかった.無蛋白質飼料あるいはこれにメチオニン,リジン,アルギニンのいずれか一つのアミノ酸を添加した飼料を給与したヒナのクレアチニン排泄は,窒素出納の差を説明することが出来なかった.

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