著者
佐藤 邦忠 三宅 勝 菅原 正善 武山 友彦 大橋 昭市 岩間 長夫 岩野 信也 七海 清志
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.447-450, 1973-08-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
4

種雄馬を効率的に利用するには精液性状の適確な判定と,一年を通じて精液を採取(以下採精と略記)することが重要である.今回非繁殖期に種雄馬より採精する機会を得たのでその結果について統計学的分析を試みた.材料は十勝管内で種雄馬として供用中のブルトン種2頭,ペルシュロン種1頭の計3頭,期間は1969年11月より1970年1月まで,採精頻度は1日1回,5日連続,2日禁欲の繰返しで行ない,延180回の射出精液を使用した.精液性状の各検査項目の平均値は精液量:62.5ml,pH値:6.8,精子活力:45.9%,精子濃度:2.1×108/ml,原形質滴付着精子の出現率(トロッペン率):15.4%,精子奇形率:27.8%および精子耐凍性:30.8%で,各検査項目中,重相関係数に有意性が認められたのは量,活力,濃度,トロッペン率,および頭部奇形率であった(p≤4.05).また精液性状の各検査項日中,2要因を選び,耐凍性を推定するための重回帰方程式として次式を求めた,Y=10.29+0.34X3+2.38X4;Y:耐凍性の推定値,X3:活力,X4:濃度
著者
宮本 元 西川 義正
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.601-608, 1979-09-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
22

牛射出精子を37°Cでインキュベート,4°Cで液状保存,または凍結•融解したときの精子生存性におよぼすカフェイン添加の影響について検討し,つぎの成績をえた.1. 塩化カルシウムを除去したクレーブスーリンゲルリン酸緩衝液(Ca欠KRP液)に洗浄精子を浮遊させ,37°Cで8時間インキュベートした.外因性基質が存在しない場合も,カフェインを添加した精子は,対照の無添加のものに比べその添加直後に運動性が高まり,2時間後も対照より高い運動性が維持された.しかし,4時間以上のインキューベート後には,カフェインを添加した精子の運動性は対照よりかえって低下した.外因性基質であるぶどう糖,果糖,乳酸塩ピルピン酸塩の存在下でカフェインを添加すると,約5時間にわたって精子の運動性が高められた.2. 牛精子を卵黄クエン酸ソーダ液で希釈し,37°Cで6時間インキュベートまたは4°Cで7日間保存した.いずれの場合も,カフェイン添加によって,対照の無添加のものに比べ精子の運動性が高まり,生存時間が延長された.精液を37°Cでインキュべートまたは4°Cで保存すると,カフェイン濃度がそれぞれ5.4~18mMおよび5.4~13.5mMのとき,比較的高い精子生存性が維持された.3. 卵黄クエン酸ソーダ液で希釈した牛精子を4°Cで保存し,保存3日目にカフェインを添加した後さらに4日間保存した.カフェイン添加直後に精子の運動性が高まり,さらに生存時間の延長が認められた.4. 7%のグリセリン存在下で隼精子を凍結する場合,凍結前にカフェインを添加した精子にグリセリンを加えると,グリセリン添加直後および凍結•融解後の精子の運動性は,カフェイン無添加の対照より低下した.これに対して,凍結•融解後にはじめてカフェインを添加すると,対照に比べ精子の運動性が高まり,生存時間が延長した.10mMのカフェイン添加の精子に各種濃度のグリセリンを加え,4°Cで保存すると,グリセリン濃度が0および2%の精子はカフェイン添加によって対照のカフェイン無添加のものより運動性が優れていたが,7および10%の精子は対照のものより運動性が低下し,牛精子の生存性におよぼすカフェインの影響は,グリセリン濃度と関連のあることが判った.
著者
大武 由之 中里 孝之
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.75-80, 1972-02-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
20

めん羊肉脂質の性質,特性をさらに明らかにするために,5頭の雌のめん羊について,背肉(背最長筋),肩肉(上腕三頭筋)および腿肉(半膜様筋)から抽出した脂質について,その脂肪酸組成ならびにトリグリセリド構造をしらべた.その結果,背肉は肩肉よりもいくらか全脂質や中性脂質が多く,腿肉は他の部位よりもリン脂質が少なかったが,統計的には有意な差は認められなかった.背肉の全脂質は肩肉や腿肉よりC18:2が少なく,飽和酸が多い傾向があった.肩肉の中性脂質は,背肉や腿肉よりもC16:0が少なかった.また肩肉のリン脂質は,背肉や腿肉のに比べて,C16:0やC18:0が少なくC18:2が多く,したがって不飽和酸が多かった.めん羊肉脂質ではC15:0,C16:0,C17:0およびC18:0,したがって飽和酸はトリグリセリドの1と3の位置に多く,これに反してC17:1,C18:1およびC18:2,それ故に不飽和酸は2の位置に多く存在していた.めん羊肉脂質のトリグリセリドの平均組成は,SSS,9.64%;SUS,31.45%;SSU,10.77%;SUU,35.47%;USU,3.08%およびUUU,10.23%であった.また1-パルミト-2,3-ジオレイン,1-パルミト-2-オレオ-3-ステアリン,1,3-ジパルミト-2-オレイン,1-ステアロ-2,3-ジオレイン,トリオレイン,1,3-ジステアロ-2-オレイン,1,2-ジパルミト-3-オレインなどが,めん羊肉脂質を構成するおもなトリグリセリドであると考えられた.なお,背肉や腿肉は肩肉に比べて,ジパルミト•オレインとトリパルミチンが多かった.
著者
有賀 秀子 高橋 セツ子 倉持 泰子 浦島 匡 筒井 静子
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.253-260, 1988-03-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1

古代の乳製品といわれる生酥,熟酥,醍醐につき,「本草網目」(李時珍著)の記述を根拠としてその再現を試みた.製造は,(加熱濃縮)-(静置•凝固層分離)-(攪拌再加熱)-(静置固化)-(オイル溶離)の様式に従い行なった.凝固層分離により生酥を得,再加熱濃縮により熟酥を得た.熟酥を冷却固化し孔をうがって室温に放置し,自然に溶離したオイル状物質を醍醐と判断した.製造過程で得られた知見は以下に示す.生酥は,生乳を静かに攪拌しながら83~85°Cで120分程度加熱し,一夜静置後凝固層を集めることによって得た.その成分組成は固形分が約60%で,タンパク質含量対脂肪含量比は約1:4,芳香性のクリームよう食品であった.熟酥は,生酥を湯煎により20分程度加熱することにより得られ,鮮やかな黄色の半流動体で,ゼリー強度,粘性率ともにマヨネーズに比べはるかに大きいが,赤色辛みそより小さく,光沢のある脂肪性の食品であった.固形分含量は約80%を占め,タンパク質含量対脂肪含量比は1:5.5前後であった.熟酥は一夜静置し冷却固化した後,孔をうがっておくと,試料温度25°C以上で透明な明るい鮮やかな黄色のオイル状物質が孔の周縁に溶離してきた.このオイル状物質を「本草網目」の記述にもとづく醍醐であると判断した.本試験により得られた醍醐は,バターオイルよう食品で,製造様式からみて,モンゴルの乳製品シャルトスに類似した食品と考えられる.一方,酥については,生酥および熟酥はそれぞれ醍醐製造の第2段階および第3段階で得られる中間産物で,現代の乳製品中では,他にその類似品は見当らない.
著者
佐藤 泰 梅本 弥一郎
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.185-189, 1961 (Released:2008-03-10)
参考文献数
8

湯はぎ鶏皮を原料として,その組成分析,それより製造したゼラチンおよび油の性質,それより製造したクロム革の抗張力などを,家兎皮の場合と比較した.そして鶏皮は,皮革資源とするよりも,ゼラチンおよび食用油の資源とするほうが有用であることを,分析値および試験結果に基ずいて論じた.
著者
飯田 勲
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.146-151, 1957-08-30 (Released:2011-01-25)
参考文献数
9

加えられた燐脂質及びレシチンが精子の呼吸及び運動性にいかなる影響をあたえるかをみたのが本実験であつて,次のような結論を得た。1. 卵黄より分離した粗燐脂質を精子に加えた場合,糖の存在しない好気的条件下では,精子(豚でも牛でも)の酸素消費に好影響をあたえ,運動性を支持した。2. 糖の存在下では,豚精子の呼吸は粗燐脂質及びレシチンの添加によつて促進されず,むしろ阻害の傾向であつた3. 粗燐脂質より精製されたレシチンは,好気的条件下では,豚・牛精子の運動性にも呼吸にも無影響であつた。4. 卵レシチンは,自動酸化をおこしたものは,豚精子の運動性を阻害する物質を生ずるが,呼吸には無影響であつた。5. 卵黄の非透析部より分離された燐脂質は,豚精子の運動性及び呼吸に無影響であつた。また粗燐脂質を透析して得られる非透析性燐脂質も,豚精子に利用されなかつた.このことは,燐脂質の精子の代謝に有効な物質がレシチン,ケフアリンなどではなくむしろ透析性の物質であることを示すものである。6 (粗大豆燐脂質は豚精子の呼吸を促進せず),また運動性においても有効ではなかつた。
著者
平田 昌弘 板垣 希美 内田 健治 花田 正明 河合 正人
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.175-190, 2013-05-25 (Released:2013-11-25)
参考文献数
28

本研究は,BC1200~BC300年頃に編纂されたVeda文献/Pāli聖典をテキストに用い,古代インドの乳製品を再現・同定し,それらの乳加工技術の起原について推論することを目的とした.再現実験の結果,dadhi/dadhiは酸乳,navanīta/navanīta・nonītaはバター,takra/takkaはバターミルク,ājya/—はバターオイル,āmikṣā/—はカッテージチーズ様の乳製品,vājina/—はホエイと同定された.sarpiṣ/sappihaはバターオイル,sarpirmaṇḍa/sappimaṇḍaはバターオイルからの唯一派生する乳製品として低級脂肪酸と不飽和脂肪酸の含有量が多い液状のバターオイルであると類推された.Veda文献・Pāli聖典は,「kṣīra/khīraからdadhi/dadhiが,dadhi/dadhiからnavanīta/navanītaが,navanīta/navanītaからsarpiṣ/sappiが,sarpiṣ/sappiからsarpirmaṇḍa/sappimaṇḍaが生じる」と説明する.再現実験により示唆されたことは,この一連の加工工程は「生乳を酸乳化し,酸乳をチャーニングしてバターを,バターを加熱することによりバターオイルを加工し,静置することにより低級脂肪酸と不飽和脂肪酸とがより多く含有した液状のバターオイルを分離する」ことである.さらに,ユーラシア大陸の牧畜民の乳加工技術の事例群と比較検討した結果,Veda文献・Pāli聖典に記載された乳加工技術の起原は西アジアであろうことが推論された.
著者
萬田 正治 奥 芳浩 足達 明広 久保 三幸 黒肥地 一郎
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.521-528, 1989-06-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
12

牛の色相の識別能力の有無を,牛の学習能力を利用した動物行動学的手法により検討した.そのため二叉迷路型の学習装置を用い,供試牛の前方左右に正•負刺激の色パネルを提示し,配合飼料を色パネルの後方に置き,供試牛が正刺激の色パネルを選択した場合にのみ,配合飼料が摂食できるよう学習訓練した.色パネルの左右交換は乱数表によりランダムに行ない,1セッション20試行とし,適合度の検定により,正反応率が80%以上に達した場合,供試牛はその学習実験を完了したとし,その供試色を識別出来たと判定した.供試色には有彩色として赤,緑および青の3色,無彩色として灰色を用いた.供試牛には鹿児島大学農学部付属農場入来牧場生産の牛5頭を用いた.まず赤色パネルを正刺激,灰色パネルを負刺激とした実験では,2~18セッションでいずれの供試牛も正反応率は80%を超えた.同様に緑色パネルを正刺激,灰色パネルを負刺激とした実験では1~31セッションで,青色パネルを正刺激,灰色パネルを負刺激とした実験では,2~13セッションで80%を超えた,次に赤,緑および青色の有彩色同士の実験においても,赤色と緑色パネルの識別実験における3号牛を除き,供試牛はいずれも1~16セッションで正反応率は80%を超えた.次に紫外線を除去した条件下で赤色パネルを正刺激,緑色パネルを負刺激とした実験では,供試牛はいずれも4~5セッションで80%を超えた.以上の結果より,いずれの供試牛も色相を識別出来る能力を有していることが明らかとなった.
著者
徳田 義信 角田 英二
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.103-121, 1924
被引用文献数
1

The poisoning in man due to the "narcotic honey, " as they call it, which is produced in summer or early in autumn in certain mountainous regions of central and northern parts of Japan has frequently been reported. The pure poisonous honey is light-coloured and has no peculiar odor, but a spoonful of it may give one a peculiar pungent, acrid taste, and if swallowed, it causes coughs, and stimulates the stomach. The severity of poisoning varies somewhat with individuals and the amount taken. The principal symptoms are retching, vomiting, (diarrhea in rare cases), headache, palpitation followed by general depression, relaxation or looseness of voluntary muscles, ataxia when highly intoxicated, weakened heart beat, coldness of extremities, slight spasm, dilatation of pupil, exaggerated kneejerk. The patients may generally recover from the attack in several hours or in a few days; there has been no cases leading to death.<br>The minimal fatal dose of the sample from Sado-island in the rabbit, when injected subcutaneously, is 3.5gm. per kgm. of body weight; in the mouse it is 20gm. The principal symptoms in the mouse are restlessness, vomiting action, salivation, paralysis of hind body, projected eyes etc, leading to death.<br>The source of the poisonous honey produced in these parts mentioned has remained quite unknown and the bee-keepers there have always been embarrassed. Having studied the chief source of the poison since 1921, it has been proved that the main poisoning substance exists in some composition from the nectar of <i>Tripetaleia paniculata</i>, Sieb. et Zucc., "<i>Hotsutsuji</i>, " which is distributed on the hills or mountains in such localities as Naganoken, Iwateken, Sado-island in Niigataken, etc. The following data will be enough to explain the reason why the plant referred to can be determined as the chief source of the poisoning honey.<br>1. The poisonous honey in these localities is produced from summer to the beginning of autumn, in this season the plants also bloom.<br>2. The plants are generally found in abundance in the localities where cases of the poisoning often take place.<br>3. The nectar is found in the bottom of the flowers; bees are seen visiting them.<br>4. The pollens of this plant, trichotomous in shape and about 40μ in diameter, have been found in the samples from Sado-island and Iwateken, but none in other ones. The scarcity of the pollens in the samples is probadly due to the fact that the stamens and pollens of this plant are prematured before the flowers bloom and the bees can visit them without being spoiled by the pollens.<br>5. The poisonous honey is produced at intervals in one and the same locality; this fact is in fair agreement with the intermittent flowering of the <i>Tripetaleia</i>-shrubs.<br>6. The poisonous substances adsorbed by animal-charcoal are extracted with alcohol in an almost pure form. There are at least two poisonous substances in the honey, crystalline und amorphus. The same substances are also contained in the alcohol extract of flower and of leaves of <i>Tripetaleia</i>, The poisonous nature can not be destroyed by heating at 100°C in an hour.<br>7. As no trace of nitrogen is to be found in the poisonus substances of the honey, it cannot be considered that the poisonous property of it originates from some ingredients of such plants as <i>Aconitum. Datura</i>, etc. which bloom in summer and contain alkaloids as poisonous matters.<br>It is, however, fortunate that the poisonous honey is produced only in the summer season, and thus beekeepers would collect the honey just. after or before the main honey-flow in spring or autumn, and also that <i>Tripetaleia</i> grows only in the mountainous regions of limited localities, where a few dwellers or migratory beekeepers only maintain their bee-colonies.
著者
新城 明久
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.423-429, 1976-07-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1

宮古群島に飼養されている馬を年齢と改良の程度により,在来種,小型,中型および大型に分け体尺測定を行うとともに毛色および改良の経過を調査した.1) 体各部位は改良に伴いいずれの部位も著しく増大し,在来馬と大型馬の差は雌雄それぞれ体高は25,24cm,体長は19,20cm,胸囲は26,27cmであり,腰角幅は11,9cmであった.2) 体格は胴長で,頭が大きく,前躯が充実し,後躯の貧弱な在来馬から後躯の充実した大型馬へと変化した.3) 毛色は栗毛55%,鹿毛33%,青毛6%で粕毛,河原毛,月毛は少なかった.4) 昭和3年から50年までに外部から移入された種雄馬は合計48頭,そのなかで楽霧号,松風号,初輝号および賛宝号,いずれも宮崎県産の種雄馬が宮古馬の改良に大きく寄与した.5) 移入種雄馬の産地は宮崎県が24頭と最も多く,毛色は栗毛23頭,鹿毛21頭と多かった.品種はアングロアラブ系雑種とアングロノルマン系雑種の中半血種がほとんどで,ブルトン種は少なかった.6) 第二次世界大戦後,宮古島で生産された種雄馬は45頭であった.そのうち楽霧号の系統が父方と母方合せて28頭となっていた.さらに体型の変化と農耕の様式との関連について考察した.
著者
傅 正偉 近藤 康 岩崎 信之 加藤 久典 菅原 邦生 久保 辰雄
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.1154-1160, 1997-12-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

ニワトリ松果体中メラトニンの抽出•保存および高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によ るメラトニンの定量という一連のシステムについて検討し,次の方法を確立した.(1) メラトニンの抽出:松果体の摘出は断首後できるだけ手早く行い,松果体1個をガラス製ハンドホモジナイザー(1ml)に入れ,氷中でホモジナイズしてから0.05M過塩素酸(システインとEDTA含有)を0.1,0.2,0.2mlと加えるごとにホモジナイズする.遠心して得た上澄液を抽出液とする.標準液と抽出液は4°Cにおいて1ヵ月以内の保存が可能である.また,これらの液は濾過チューブを用いて濾過してから100μlをクロマトグラフへ注入する.なお,暗期においては断首からホモジナイズ終了まで赤色ランプ下で行う.(2) HPLCの条件:逆相カラム,35°Cのカラム保温温度,メタノールと0.05M酢酸緩衝液(pH4.7)の混合溶液(25:75または35:65)の移動相,1ml/minの流速,蛍光検出器(励起波長=285nm,放射波長=345nm)または電気化学検出器(作用電極=+900mV)などの条件および機器を用いる.
著者
久保 知義 宝山 大喜
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.5-10, 1967-01-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
7

異なつたCr2O3含量をもつクロム革に及ぼす比較的高温熱処理(100°~190°C)の影響を物理的性質および 水抽出物の組成の変化から考察した.1. クロム革の熱処理による物理的性質の劣化が認められ,引張強さおよび柔軟度の荷重は増加し,伸びは減少した.しかし,革のCr2O3含量が高くなるにしたがい劣化の程度は比較的少なくなり,また,熱処理時の水分が高水分の場合よりも低水分において熱処理の影響が少ないことを認めた.2. 水抽出物の組成について,溶出蛋白質量,酸度,硫酸根およびpHを測定した.溶出蛋白質量は未鞣製皮の場合に比し非常に少なく,100°~130°C熱処理における溶出量は対照と変らないが,160°~190°Cの熱処理において,Cr2O3含量1%以下の革では大きく増加した.そして,このような傾向は低水析よりも高水分の場合において大きいことを認めた.
著者
沖 博憲
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.215-219, 1984-04-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
9

サラブレッド種の芝とダートにおける競走能力を調査するために馬場の種類別,父産地別および性別に4歳時の良馬場の資料を用いて,比較した結果は下記のごとくである.1. 加重平均タイムは,父外国産,父内国産の雌雄とも芝馬場がダートに比べ危険率1%水準で有意に小さかった.加重分散は,父外国産の1,400mを除き,芝馬場の方がダート馬場に比べ小さい傾向がみられた.変異係数は,芝馬場で距離が長くなるにしたがって減少する傾向がみられた.以上のことから芝馬場とダート馬場の環境要因が異質的であることが示唆された.2. 同一個体の芝馬場とダート馬場の走行タイムの相関係数は,統計的有意水準に達するものが多く,γ=0.245~0.574の範囲であり,距離が長くなるにしたがって相関係数が小さくなる傾向がみられた.
著者
沖 博憲
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.215-219, 1984

サラブレッド種の芝とダートにおける競走能力を調査するために馬場の種類別,父産地別および性別に4歳時の良馬場の資料を用いて,比較した結果は下記のごとくである.1. 加重平均タイムは,父外国産,父内国産の雌雄とも芝馬場がダートに比べ危険率1%水準で有意に小さかった.加重分散は,父外国産の1,400mを除き,芝馬場の方がダート馬場に比べ小さい傾向がみられた.変異係数は,芝馬場で距離が長くなるにしたがって減少する傾向がみられた.以上のことから芝馬場とダート馬場の環境要因が異質的であることが示唆された.2. 同一個体の芝馬場とダート馬場の走行タイムの相関係数は,統計的有意水準に達するものが多く,γ=0.245~0.574の範囲であり,距離が長くなるにしたがって相関係数が小さくなる傾向がみられた.
著者
松石 昌典 森 壽一郎 文 允煕 沖谷 明紘
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.163-170, 1993
被引用文献数
7 1

牛肉は熟成で軟化するとともに加熱香味も向上することが報告されている.本研究では牛肉の香味のうち特に報告の少ない生肉の香り(生鮮香気)の熟成中の変化を調べた.屠殺4日後の乳牛のロイン部を貯蔵し,その生鮮香気を官能評価した結果,含気下で0°Cに20日間熟成させたものは熟成させずに-80°Cに18日間貯蔵した後に解凍したものよりも有意に好ましいと判定された.このとき熟成肉には甘いミルク臭に似た香気が感じられた,この香りは熟成肉を加熱した後にも残存し,熟成牛肉の加熱香味を優れたものにしていると推定された.われわれはこの香りを牛肉熟成香(ぎゅうにくじゅくせいか)と命名した.ステーキ店への実地調査の結果,和牛肉でも熟成香があり,にれは乳用牛肉と同様牛肉全般に見られるにとが判明した.牛肉を真空包装下あるいは脱酸素剤存在下で貯蔵すると熟成香の生成は抑制された,熟成香は赤身,脂身の単独部よりも赤身と脂身の共存部で強く生成した.クロラムフェニコールあるいはNaN3の水溶液を噴霧して含気貯蔵すると熟成香の生成が抑制された.以上の結果は,熟成香は酸素存在下で赤身と脂身の共存部においてある種の細菌の作用で生成することを強く示唆した.加熱殺菌脂肪と赤身の水抽出液を吸着させた各濾紙および両濾紙を接触させたものを含気貯蔵したが,いずれにも熟成香と同じ香りは生じなかった.市販のラクトン類,マルトール,シクロテンなどには牛肉熟成香と同一の香りを示すものはなかった.
著者
崔 一信 朴 燕鎮 石下 真人 鮫島 邦彦
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.43-46, 1996-01-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
16

In Korea, pear juice has been used for tenderization of meat since early times, suggesting the presence of proteases. The objective of this research was to identify the protease in the pears and to investigate the possibility as a new tenderizer of meat. Crude pear proteases were prepared from Korean pear (Shingo). The proteolytic activity was measured by using N-α-benzyloxy carbonyl-L-lysine-nitrophenyl ester (CBZ-Lys-ONp) as substrate. The optimum activities of this protease were found at around pH 7.0 and 37°C. When porcine actomyosin was treated with this pear protease at 25°C and pH 7.0, myosin heavy chain was progressively degraded during the reaction. On the other hand, actin was degraded slightly under the same condition. Other myofibrillar proteins were also degraded by this protease. The present study suggested that Korean pears contained protease which may be useful as a meat tenderizer.
著者
豊田 修次 小林 洋子 阿彦 健吉
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.591-598, 1990-07-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
26

本研究は,国産ゴーダチーズの熟成後期に発生するガス膨張の原因を究明する目的で実施した.バクトヒュージ無処理の冬季乳を用い,硝酸塩無添加で製造したゴーダチーズを13~15°Cで4ヵ月間熟成すると,30試料中,11試料が熟成2カ月以内で膨張し,その大半はガスホール周辺に大きな亀裂を生じた.このガス膨張は酪酸菌によるものであった.DRCM培地中に生育した酪酸菌は,大きな黒色コロニーと小さな褐色コロニーを呈した.膨張チーズ中の黒色コロニー数は,チーズg当り30cfu以下で,正常チーズと差が認められなかった.105株の黒色コロニーは,Cl.sporogenesが86株,Cl. beijerinckiiが11株,Cl. butyricumが8株であった.一方,褐色コロニー数は,チーズg当り膨張チーズで102~104cfu,正常チーズで10cfu以下であった.褐色コロニーは,いずれもCl.tyrobutyricumと同定された.従って,本ゴーダチーズのガス膨張は,Cl. tyrobutyricumによるものと判断した.分離したCl. tyrobutyricum KS-222は,脱脂乳培地中ではほとんど生育しないが,S. lactis subsp. lactisとの混合培養でよく生育して多量のガスを発生した.Cl. tyrobutyricumKS-222は,DRCM培地では胞子をほとんど形成しなかったが,糖密-ソイトン培地の使用で,その胞子形成率は2.1%まで上昇した.Cl. tyrobutyricum KS-222胞子は,生育限界温度およびpHがそれぞれ7~10°C,4.5~5.0付近であった.Cl. tyrobutyricum KS-222胞子の生育を抑制する食塩濃度は,培地pHに著しく依存し,pH5.0で約2%,pH5.5で約4%,pH6.0~6.5で約6%であった.また,Cl. tyrobutyricum KS-222胞子の生育抑制に対する硝酸カリウムの効果は,上述の食塩の場合とほぼ同様であったが,亜硝酸カリウムでは0.005%以下の濃度でCl. tyrobutyricum KS-222胞子の生育を強く抑制した.
著者
早坂 貴代史
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.992-999, 1986
被引用文献数
1

互に認知しないいくつかのグループからなる群における個体間関係を行動の同時性,個体間距離という両側面から明らかにしそれにかかわる要因を統計的に確認した.供試牛群は経歴の異なる3つのグループ,すなわち黒毛和種雌成牛6頭(J-Aグループ),ホルスタイン種雌育成牛4頭(H-B),同2頭(H-C)からなり,2haの牧区に11日間一諸に放牧した.調査はうち4日間,日中5分間隔で,牧区内の個体の位置および行動を記録した.行動の同時性および個体間距離を測定し,クラスター分析によりそれぞれのデンドログラムを作成した.<br>その結果,同経歴グループの個体間は,行動の同時性を示す一致係数が平均68.7%,個体間距離が平均28.4m,一方異経歴グループの個体間ではそれぞれ60%,41.8mであり,各個体は他のグループより同経歴グループの個体,特にそのなかの年齢の近い個体と密接なきずなをもつ傾向にあった.またH-Cグループが同品種のH-BグループよりJ-Aグループときずなが強かったこと,さらにJ-Aグループの最若齢個体がH-Cグループと密接なきずなをもったことが明らかにされた.<br>以上から,品種,経歴,年齢,所属するグループの大きさといった諸要因が複雑に絡みあって,個体間関係に影響を及ぼしているものと推察された。
著者
宮原 晃義 谷口 慎 森地 敏樹
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.9, pp.184-188, 1999-08-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1

食肉の比熱は,水分,脂肪およびそれ以外の成分に影響される.示差走査熱量計を用いて,ゼラチン,寒天,脂肪酸および食肉(牛肉,豚肉,鶏肉)の比熱を0~100°Cの温度範囲で測定した.水分の影響をみると,酸化アルミナでCP=0.04x+0.50(Cp:30°Cでの比熱,X:水分%)の関係があった.ゼラチンと寒天を用いて比較すると,乾燥品の比熱(10~100°Cの範囲の平均値)はそれぞれ1.49,1.37kJ/kg•Kであり,水分92%を加えるとそれぞれ3.53,3.46 kJ/kg•Kとなり,ほぼ同程度の影響が確認された.ウシ,ブタ,ニワトリの脂肪の主成分であるC16:0, C18:0, C18:1, C18:2脂肪酸の比熱は融解潜熱により,融点付近で高くなった.また4者の等量混合物では5°Cと60°C付近の比熱がやや高い値を示した.牛肉,豚肉,鶏肉の10~100°Cの範囲の比熱を比較すると,赤肉では畜種による差はほとんど認められず,温度上昇に伴って,約0.5kJ/kg•Kの直線的な温度依存性が見いだされた.ウシ,ブタ,ニワトリの脂肪の比熱は,いずれも融点付近で高い値を示した.そのため,脂肪含量の高い試料ほど畜種による比熱の差が明瞭になり,牛肉と豚肉では35°C付近で比熱の上昇が認められた.
著者
佐藤 衆介
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.978-982, 1992-09-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
7
被引用文献数
2