著者
斉藤 清 真辺 達男 入野 理
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.105-109, 1988
被引用文献数
3

ifenprodil tartrateのマウスin vivoおよびヒトex vivo血小板凝集抑制作用の発現様式についての研究を行なった.マウスの血漿中ifenprodilレベルはifenprodil tartrate 30mg/kg経口投与20分後に最高値に達し,投与3時間後にかけて減衰した.一方,最大抑制作用は投与1時間後にみられた.このようにifenprodil tartrateは血漿中ifenprodilレベルが最高値に達した後に抑制作用を発現した.同様の現象はヒトex vivo血小板凝集に対するifenprodil tartrateの抑制作用においてもみられた.ifenprodilの血小板凝集抑制作用発現の遅れの理由を解明するため,マウスにおいて,本薬経口投与後の血小板内ifenprodil含量を測定した.血小板ifenprodil含量の推移パターンは抑制作用の推移パターンと酷似していることが判明した.このことはifenprodil tartrate経口投与による血小板凝集抑制作用の発現が血漿中ifenprodilレベルよりむしろ血小板内ifenprodil含量に直接的に関連していることを示唆している.

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