- 著者
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嶋倉 優子
- 出版者
- 日本コミュニケーション障害学会
- 雑誌
- 聴能言語学研究 (ISSN:09128204)
- 巻号頁・発行日
- vol.8, no.1, pp.21-27, 1991
難聴の発見が19~30歳であった脳性マヒ者(アテトーゼ型)5例について,難聴に起因する職業生活上の問題点とその対策について検討した.これらの事例は,難聴に起因する問題のために,全例過去に自主退職や解雇を経験している.難聴に伴う職業生活上の問題を軽減するために,職業訓練場面を通し,次のような援助を行った.(1)障害の自覚を促すための,聞き誤りのフィードバック.(2)コミュニケーションの成就体験の場の保障.(3)補聴器やテレホンエイドなどの視聴覚機器の活用.(4)コミュニケーション態度の改善.この結果,4事例は難聴による問題について自己対策が立てられるようになり,再就職が可能になった.