- 著者
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河合 美香
- 出版者
- Japan Society of Nutrition and Food Science
- 雑誌
- 日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.6, pp.361-365, 2002-12-10
- 被引用文献数
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一流競技者は, 科学的なトレーニングに加え, 栄養面 (食事の量・質などの内容や摂取タイミング) にも気を配るようになっている。また, 選手の身体組成, 体力, 疲労からの回復, トレーニングや食事に対する代謝的応答, 食事の摂取パターン, 嗜好などに個人差があり, これらは同一個人であっても日々変化している。2000年シドニーオリンピック女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子選手は, 競技を開始した当初, 栄養に対して興味や関心はなく, 食欲や気分に任せて食事を摂ることの多い選手であった。しかし, マラソンのトレーニングを実施する上で, 食事に対して興味・関心をもつようになり, これに伴って意識が変わってきている。それまで提供される食事を摂っていたのが, 自分自身の体調やトレーニングに合わせて摂る成分を考え, 選択するようになった。また, 同選手の指導者も食事の内容について配慮している。トレーニングの効果を高めるために栄養のサポートをする場合, 選手の様々な環境や段階を熟慮する必要がある。