- 著者
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佐々木 真由美
伝法 公麿
賀来 亨
佐藤 昌明
森 道夫
- 出版者
- 一般社団法人 日本肝臓学会
- 雑誌
- 肝臓 (ISSN:04514203)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.2, pp.254-265, 1981
3'-Me-DAB投与による肝癌発生過程の初期および胎仔,新生仔のラット肝について免疫組織化学的にα-フェトプロテイン(AFP)とアルブミン(ALB)の単染色及び二重染色を行なった.<BR>1) 3'-Me-DAB投与初期肝:細胞質の少ない,ごく少数の移行型細胞にのみAFP単独保有が認められたが,それよりも細胞質が多くなると,ほとんどのAFP産生細胞は同時にALBも保有していた.さらに成熟して明らかに肝細胞と同定できるようになるとALBのみの産生細胞となる.<BR>2) 胎仔,新生仔肝:ごく初期の胎仔肝(胎生12日)では,すでにほとんどの肝細胞がAFPとALBを同時に保有し,胎生期は同様の傾向を示し,生後は周辺部よりAFPのみ産生が認められなくなり,ついに肝細胞は100% ALBのみの産生細胞となる.<BR>3) 1)2)から3'-Me-DAB発癌初期肝のAFPとALB産生細胞の関係は肝の個体発生におけるそれと非常によく類似し,ほぼ後者をre-traceすることが明らかとなった.