著者
永野 信之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.308-325, 1966

臨床的に蛋白同化ステロイド (ASと略す), 副腎皮質ステロイド (CSと略す) 単独投与, 両薬同時併用, およびCS維持量投与中にAS追加併用の各群の, 血清蛋白成分, 血中非蛋白窒素成分, 血清電解質, 尿中窒素排泄量および体重の変動を観察し, 同時に各種ASの効果も比較検討した. 血清蛋白成分, 血中非蛋白窒素成分は4群とも正常範囲内で僅かに変動したが, 2組の併用群はAS単独群と類似の傾向をみた. 血清電解質も正常範囲内の変動をみたが, AS投与の3群はCaの上昇を観察した. 尿中窒素排泄量はAS単独群では明らかな減少をみ, この傾向は<i>Δ</i>′17MT, HMD等に顕著であつた. CS群では逆に増加した. 2組の併用群でAS単独群に匹敵する減少を認め, 投与第1週では単独群より顕著であつた. 体重増加はCS単独群以外に認め, AS別にも若干の差があつたが, 同時併用群で顕著であつた. 体重増加はまた, 窒素排泄減少と相関を示した.

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