著者
福嶋 祐介
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.189-197, 1986
被引用文献数
9 9

粉雪雪崩の流動特性を記述するのに適切な基礎方程式を導いた.モデルは,空気の質量保存式,雪粒子の質量保存式,雪崩の運動量保存式,乱れエネルギーの収支式の四つの方程式で構成されている.雪崩全体の空気中重量は,積雪層の洗掘と堆積により自由に変化する.今回のモデルでは,雪粒子の底面からの連行率は乱れのレベルと直接的に結ばれている.<BR>基礎方程式を数値計算することにより,急激に加速する粉雪雪崩の時間変化を求めた今回のモデルは,粉雪雪崩が急速に形成され,極めて早い移動速度となる粉雪雪崩の特性を良く説明できる.今回得られた結果と既存の観測結果と比較すると,今回の結果は観測結果とほぼ一致することが分かった.

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