- 著者
-
奈良 明雄
大江 直子
- 出版者
- 公益社団法人 日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.9, pp.847-852, 1964
- 被引用文献数
-
3
フラスコ燃焼法による有機元素分析法の一環として,有機化合物中のイオウの微量定量法を試みた.<BR>試料を焼却後生じる硫酸イオンを,導電率法により定量を行なう目的で滴定試薬の選択,被滴定液の液性,これに加えるイソプロピルアルコールの濃度,および滴定限界について検討した.最適条件は酢酸バリウムを滴定液とし,イソプロピルアルコールの濃度40~50%,液性pH6~7であった.<BR>また,試料中にごく一般に含まれる可能性のある二,三のイオンが共存する場合について実験し,妨害イオンであるCa<SUP>2+</SUP>,PO<SUB>4</SUB><SUP>3-</SUP>の除去方法について検討した.ハロゲンイオン,Na<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>は妨害しない.滴定操作は自動滴定装置を用いて時間を短縮し,分析に要する時間は約20分である.