著者
深沢 力
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.8, no.7, pp.454-456, 1959

著者は微量のバナジウムの定量にジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを用いよい結果をえ,諸種の試料に応用した.しかるに著者がこれらの研究に用いた呈色試薬ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムはE..Merck社の製品であり,国産品はいずれも使用できなかったことはすでに報告した.すなわち国産品は純度がわるく,また不純物の影響もあるのではないかと思われるが,これを用いた場合呈色溶液の色もうすく,多量の試薬を用いても本法に使用できるようなバナジウム量-吸光度関係曲線はえられなかった.またMerck製品を用いた場合でも試薬の使用量が多いほど呈色溶液の色は濃くなるが,あまり多いと呈色は不安定になり,吸光度のバラツキも大きくなった.また他の外国品については手許になく検討できなかった.その後G. Frederick Smith社(米国)製品および国産東京化成製品についてバナジウム定量に応用しうるかどうかを検討するために,バナジウム量-吸光度関係曲線を作成し,また呈色溶液の可視部の吸収曲線および試薬の赤外部の吸収曲線などを測定して試験した線果, G. Frederick Smith社製品および最近の東京化成品はMerck品と同様に本法に使用できることがわかった.

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