- 著者
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中西 穂高
- 出版者
- Japan Association for Cultural Economics
- 雑誌
- 文化経済学 (ISSN:13441442)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, no.3, pp.77-86, 2005
北海道歌志内市は、1995 (平成7) 年に市の基幹産業であった炭鉱が閉山したことにより、市経済は衰退し人口も減少した。本稿では地域経済の衰退が地域イベントの開催に与える影響について調査、分析を行った。<br>炭鉱閉山の危機が高まった時期には、危機感を背景に市民を中心に行政の支援も受けて新規イベントの発足、既存イベントの活性化が図られた。しかし、その後の自治体財政の窮迫に伴い、イベントへの助成が打ち切られ、多くのイベントが中止となった。中止となったイベントには、他のイベントと内容が類似している、歴史が浅く市民への認知度が低い、主催者の意識が明確でない、と言った特徴がある。<br>近年の自治体財政が厳しい状況のもとで地域の文化活動が継続していくには、特色あるイベントの企画、市民の認知度を高める広報活動、目的意識を持ってイベント開催を推進する実施主体が重要である。