著者
加藤 勝雄 菅原 正敏 対馬 清造
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.398-402, 1961
被引用文献数
1

仙台市北警察署においてとり扱った約1ヵ年間の自殺未,既遂者ならびに岩手県における月別自殺数について,自殺未,既遂・性・年令・企図時刻ならびに気象要素との関係を検討した。<br>1) 自殺未遂・既遂を比較すると,男に比し女に未遂の割合が多い傾向が見られる。<br>2) 自殺企図は20∼24才層に最も多く,続いて25∼29才,15∼19才層に多い。而して性別には一般に男に多いが,15∼19才層では男に比し女が非常に多い。<br>3) 自殺企図の時刻は1昼夜を4時限に分けて見ると,第1・2時限よりも第3・4時限に次第に多く,また午前よりも午後に,昼よりも夜に多い傾向が見られる。<br>4) 自殺企図は気圧の高い時よりも比較的低い時に多く,しかも気圧の上向時や停滞時よりも下向時に多い。<br>5) 岩手県における月別自殺者について見ると,4・5・6月に特に多く,気温・日照時夫々の月平均とは大体平行関係に,気圧とは逆行関係に在り,気湿とは一定の関係が見られない。従って自殺は気温・日照時とは正相関,気圧とは負の相関を示し,気湿とは明らかな相関を見ない。また月較差については気温のみ正相関を示すが,気圧・気湿・日照時では明らかな相関は見られない。

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