著者
鈴木 誠一 堀 裕
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.643-650, 1991
被引用文献数
3

1. センニンソウの栄養生長は自然日長下では昼/夜温24。/19°C, ないし30°/25°Cで良好であり, 17°/12°Cではほう芽•伸長が著しく遅れ, 発らい•開花しなかった.<BR>2. 適温下で生育させた場合, 5,6月の間の約1か月間を8時間日長に保つことによって新梢先端が褐変•枯死した. 花芽分化 (とそれに続く発らい•開花) は自然日長 (終始14時間以上で推移) および16時間日長によって誘起されたが, 8時間および12時間の日長では誘起されなかった. このような長日による花芽分化の誘起には, ほう芽後約1か月を経た6月以降, 約1か月間の処理が必要と認められた.<BR>3. 16時間日長を6月末で打ち切って8時間日長に戻した区は, 7月末に戻した区に比べて発らい•開花が明らかに遅れた. したがって, 分化後の花芽•花房の発達は16時間日長によって抑制されるものと考えられた.<BR>4. 自然日長下, GA<SUB>3</SUB>100および1,000ppm処理は,無処理に比べて, 概して栄養生長と発らい•開花を早めたが, 特に8回散布区で花数を著しく減少させた.8回散布区では雄しべが退化し, 雌ずいを欠いた不完全花が多数見られた. また, 正常花, 不完全花を問わず,雄しべの弁化に伴う多がく片花がみられた.

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編集者: Alpsdake
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