- 著者
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小西 国義
- 出版者
- 園藝學會
- 雑誌
- 園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.3, pp.286-293, 1975
- 被引用文献数
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秋季長日条件下で伸長中のキク苗に低温処理を与え, その後種々の温度のもとで栽培して, 生長とくに伸長生長と開花におよぼす影響を調べた.<br>発根した'岡山平和'のさし芽苗を1~3°Cで, 0, 10, 20, 40日間処理して定植し, 摘心ののち短日として日最低夜温を5°, 10°, 15°, 20°Cとして栽培した. その結果は, 低夜温では無低温苗および低温処理期間の短い苗はロゼツト状になつたが, 処理期間の長い苗は比較的によく伸長し, 開花した. 高夜温で栽培した場合は, 低温処理期間の長い苗はもちろん, 無低温苗もよく伸長して開花した.<br>'宇宙船', '玉織姫'について, 1~3°C•40日間の低温処理をして, 無処理苗とともに夜温5°, 10°, 1°5, 20°Cで栽培した結果は'岡山平和'の場合とほぼ同様であつた.<br>これらの結果から, 秋冬季のキクは低温を経験することによつてその後の生長•開花可能な温度範囲が拡大し, より低い温度でもよく開花するようになることが結論できる.