著者
宮沢 辰雄
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.22, no.7, pp.362-365, 1973

今から数十年前に,ミクロの原子構造が研究されていたとき,マクロの太陽系の運動よりのアナロジーが役にたったという,今日,生物についてミクロの分子レベルで研究しようとするとき,マクロの生物のふるまいよりのアナロジーが,いろいろのヒントを示しているようである。酵素分子は餌にぱくつくミクロの金魚であるというお話を,酵素化学の先生に教わったのは,だいぶ前のことである。その後,酵素タンパク質の構造解析が行なわれて,酵素分子が基質分子をくわえることが明らかになった,ヘモグロビン分子も,酸素分子を取り込むときにかなり変形し,ミクロの肺のようにふるまうという。ミクロの生きもののような機能タンパク質分子,それらがポリエチレンなどの合成高分子ときわだって違ってふるまうのは,どこかで構造がかなり異なるためであろうか。

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