著者
川人 貞史
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
no.17, pp.58-70,205, 2002

本稿は,2000年総選挙における選挙制度•政治資金制度と政治的アクターたちとの間の相互作用の分析を行う。1994年の政治改革で導入された小選挙区比例代表並立制は,小選挙区制にウェイトがあるために2大政党制志向をもつ制度であるが,2000年における比例代表選挙の定数削減によりいっそう小選挙区制中心の制度になった。新選挙制度下の2度目の総選挙において,政党間の選挙協力や政治資金が選挙競争にいかなる影響を及ぼしたか,そして,通常,小選挙区制において顕著に見られる有権者の戦略投票がどのように選挙結果に影響を及ぼしているかについて,さまざまな集計データをもとに分析を進める。本稿の結論は,自公協力が自民党候補者の得票率を増加させていること,戦略投票が行われることによって生じる上位2候補への得票の集中も顕著にみられること,さらに,選挙協力によって自分の選挙努力によらない投票を得た自民党候補において,政治資金支出が本人の候補得票率を増加させる有意な効果が存在しなかったことである。

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