著者
亀田 泰武
出版者
JAPAN MACRO-ENGINEERS SOCIETY
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.33-39, 1990

今後宇宙開発を進めていく上で,燃料消費の少ない打ち上げ方法の開発が必要である。これまで,輸送エネルギーの軽減策についていくつかの提案がされている。そのうち,最もエネルギーの少ない方法は,36,000km離れている静止衛星と地表を結ぶケーブルづたいにエレベーターを昇り降りさせる軌道エレベーター構想である。しかしケーブルが長すぎるためその実現はなかなか難しいと考えられる。今回より低い高度を周り,ケーブル長が短くて済む方法を検討した。この重連衛星構想は,長いケーブルで結ばれた2個のゴンドラが連星のように引っ張り合いながら自転し,この自転の動きが公転の速度を打ち消すように働いて,地上接近時に対地速度を低下させ,地上から打ち上げたロケットなどとドッキングしやすくするものである。ゴンドラをロケットの第二段とすることにより打ち上げのための燃料を少なくすることが可能となる。

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