著者
石橋 正樹
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
顔料塗料印刷インキ
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.155-188, 1935

本報の所論を要約すると<BR>1) 油性ワニスの粘度規格は英國規格の如く15℃に於ける最大粘度と25℃に於ける最小粘度とを定めるのが、粘度を規定する根本精神から見て最も實際的であり又合理的である。<BR>2) 1) の如く規格する場合には、その規格試驗法としてはGardner-Holdt式氣泡粘度計を用ゆるのが最も便利である。即ち15℃に於いて5.5poiseの標準液を封入して同徑同大の試料管と氣泡上昇速度を比較して其の速度が大きく、25℃に於いて1.0或は1.8poiseの標準液を作り之等を封入した粘度管と試料粘度管との氣泡上昇速度を比較して、その速度の小なる試料を合格とする。<BR>3) 温度による粘度の變化率に就いて-鑛油は市販油性ワニスに比して變化率が著しく大きいが、グリセリン水溶液は1.00 (25℃) ~5.5 (15℃) poiseに於いて市販油性ワニスのそれに近い値を有するから、測定の温度に對する許容範圍はグリセリンを用ゆることによつて極めて寛大にすることが出來る。<BR>4) Gardner-Holdt粘度計の最小覺認差の範圍に於いて同一なる粘度を有するグリセリンと鑛油に就いてはD=10.75±0.05mmの粘度管に就いては全く同一の上昇速度を示す。從つて3) の見地からグリセリン水溶液を粘度標準液として用ゆることを推奨したい。<BR>5) 上限に對しては15°~16℃, 下限に對しては25°~24℃で最小覺認差以内の誤差に於いて合格不合格を定めることが出來る。上限に就いては15°~20℃、下限に就いては25°~20℃で速度對比を行つて、標準管に對して上限に於いて速度大きく下限に對して速度小なるものの中、温度を上限15°~16℃、下限24°~25℃に於いて速度對比を行へば合格すべきものある事を心得て居なければならない。

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