- 著者
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松本 敏治
崎原 秀樹
- 出版者
- The Japanese Association of Special Education
- 雑誌
- 特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.3, pp.237-246, 2011
- 被引用文献数
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青森県津軽地方の発達障害にかかわる人々の間には、「自閉症は方言(つがる弁)をしゃべらない」との噂が存在する。本研究では、青森県および秋田県県北地区で発達障害にかかわる教員に対して、自閉症・アスペルガー症候群(ASD)、知的障害(ID)、定型発達児(TD)の方言使用についてアンケート調査を行った。青森県では、噂の既知未知と噂の肯定否定についても調査した。さらに、青森県のある特別支援学校(知的障害)の教員に、担当する児童生徒ごとに44語のつがる弁と対応する共通語、訛りについて評定を求めた。結果は、次のことを示した。1)青森秋田ともに、ASDは、IDおよびTDに比べて方言使用が少ない、2)青森では回答者の36%が噂を知っており、52%がこの噂を肯定した、3)ASDと知的障害の方言使用の差は、発音、イントネーション、および終助詞によるとされた、4)特別支援学校のASDの児童生徒は、つがる弁語彙および訛りの使用が少ないと判断された。