著者
米本 清 菅野 玲
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.215-227, 2012
被引用文献数
1

東日本大震災・福島第一原発事故は,東日本各地に直接的な物的・人的被害をもたらしただけでなく,被災地を中心とする輸移出入の構造を変化させた可能性がある.結果として,当面,復興需要や政策の効果は,従来の構造から予想されるものとは異なるものとなってしまう可能性がある.本稿では,福島県,特に浜通り地方(相双・いわき地域)に焦点をあて,震災前における産業連関・輸移出入構造を概説した上,「福島県生活圏別産業連関表」を拡張し,グラビティモデルによって地域間産業連関表の作成を試み,後方連関効果の変化を論じる.特に相双地域で輸移入依存が高まった産業などでは,復興の正の効果を享受できにくくなっている可能性がある.

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