著者
遠藤 保子
出版者
公益社団法人 日本女子体育連盟
雑誌
日本女子体育連盟学術研究 (ISSN:18820980)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.1-15, 2013

本研究は,アフリカの舞踊を対象として,小学校高学年に対するグローバル教育を視野にいれた実践研究の結果を踏まえて,その内容と方法を明らかにするとともに,アフリカの舞踊をグローバル教育の教材にするための基礎資料を得ることを目的とした。実践は,2009年10月31日,立命館大学において以下を行った。1.アフリカの社会と舞踊に関する解説,2.モーションキャプチャを利用したアフリカの舞踊のデジタル記録の説明と実演,3.映像教材の紹介,4.昼食(ガーナの料理付),5.ガーナ人舞踊家による舞踊と音楽,6.舞踊と音楽のワークショップ。実践に際しては,(1)アフリカに興味を持つ段階,(2)アフリカと日本の関係を知る段階,(3)自分たちが実践し,考える段階を設定した。実践の後,児童への質問紙調査,教員への聞き取り調査を行った。その結果,質問紙調査では,児童が,アフリカの舞踊や食文化を体験してアフリカの文化を考える契機になり,日本の文化と相対比較が可能になり,聞き取り調査では,教員にとって,実践はおもしろく,分かりやすいものであることが明らかになった。以上のことから,アフリカの舞踊は,グローバル教育の教材として有効であると思われる。

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