著者
パンディ ラジェンドラ・クマール カンディア アナンド・クマール コトワール プレム・チャンド
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.354-360, 1986

カンハ野生公園の全域に棲息する23種の野生動物のうちから5種(チタール (<i>Axis axis</i> ERXLEBEN), インドレイヨウ (<i>Antilope cervacapra</i> LINN.), パラシンガジカ (<i>Cervus duvauceli</i>-<i>branderi</i> POCOCK), サンバー (<i>C. unicolor</i> KERR.), ホエジカ (<i>Muntiacus muntjak</i> ZIMMERMANN)) にっいて個体群密度と現存量を調査した。両者とも,チタールが最も高い値を示し,インドレイヨウが最も低い値を示した。インド,スリランカ,ネパールの国立公園での研究と比較したばあい,ここで得た値はすべての有蹄類に対してきわめて高い値を示した。とくに調査区IIでは顕著であった。この調査区IIは次のような生物学的条件をそなえている。 1) 有蹄類が食物とする植物の種類の豊富さと多様性が高い, 2) 肉食動物の存在を欠き,草食動物の個体群が急激に増加している, 3) 生物的かく乱,とりわけ人間の活動によるかく乱が少ない。

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