著者
園田 昭男 守谷 一郎
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.566-571, 1970
被引用文献数
9

クロルフェロセン(2),1,1-ジク導ルフェロセン(7)およびプロムフェロセン(10)へのn-ブチルリチウムならびにフェニルリチウムの反応を検討し,(2),(7)ではリチウム化は優先的にクロルの隣接位に起こり,ハロゲン-金属交換反応はわずかであることを,カルボキシル化反応での生成物の構造などから明らかにした。一方,ブロムフェロセンは圧倒的にハロゲン-金属交換反応を行なってフェロセン(1)を高収率で生成する。(2)のリチウム化を加熱下にフェニルリチウムによつて行なうと,若干のフェニルフェロセン(6)が生成する。これはハライドの脱離によるフェロサイン中間体の生成を示唆するように思われるが,o-リチオハロベンゼンの場合にくらべて脱離はきわめて困難である。また,(2)および(7)のリチウム化を経て,それぞれビス(2-クロルフェロセニル)水銀(12)およびビス(2,1'ジクロルフェロセニル)水銀(14)を合成した。(12)のテトラサイクロン中での熱分解反応を検討したところ,生成物は予想外にもフェロセン(1)であつた。

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