著者
近藤 千雅 牧田 登之
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
The Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.743-748, 1996
被引用文献数
2

雄Wistarラットにペルオキシゾーム増加剤であるbezafibrateを混餌投与し, 肝臓における微細構造変化を電子顕微鏡を用いて経時的に観察した. 体重100g当たりの肝重量, ペルオキシゾームの数および面積の計測の結果, 肝重量およびペルオキシゾームの面積は投与14日(それぞれコントロール群の2.2倍, 10.6倍)において, またペルオキシゾームの数は投与30日(コントロール群の6.8倍)において最大であった. これらの値は, 投与90日では最大時のそれぞれ62%, 52%, 67%と著しく減少していた. ミトコンドリアにおいては, 投与90日にクリステが小胞化しその中に線維状構造物を含んでいた. カタラーゼ染色による細胞化学的検索では, 投与7日において弱い活性を示すペルオキシゾームが多数観察された. 以上より, 肝肥大およびペルオキシゾームの数的増加はbezafibrate投与後短期間で誘発されるが, bezafibrateの投与中であってもピーク後それらは著しく減少することが判った. これはペルオキシゾーム増加剤の休薬時に観察される現象に類似していた. またbezafibrateはミトコンドリアにも形態的に変化を及ほすことも判った.

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雄ラット肝細胞におけるbezafibrate 90日投与による誘導ペルオキシゾームの数的減少の電顕的観察 https://t.co/4ldz7jyXgX

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