- 著者
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木村 吉郎
- 出版者
- 日本農業気象学会
- 雑誌
- 農業気象 (ISSN:00218588)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.3, pp.119-122, 1951
- 被引用文献数
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この報告において著者は, 先の報告と同じ資料から日本の稻凶作に關する地域性について以下のような考察を行つた。<br>先の報告に示した第1表及び第1圖から, 凶作發現の地域的範圍を考察して本報の第1表に示すような3つの凶作型を分類した。<br>全國を1括してみると, 60年間中に1/2の30年は凶作が何れかの地方に現われていて, その凶作1年當り平均地方數は5.8地方に分布發現していることが認められる (以上第1表參照)。<br>以上3型間の相互的發現關係は第1圖に示すように, 3凶作型の各々が單獨發現する場合と, IとII又はIとIIIの兩型が同年發現する場合と, 3型全部が同年發現する場合との合計6發現型が存在することを認めた。<br>6發現型のうち, 日本の米作々況に最も大きい減收關係をもつているのは, 3型の同年發現した所謂全國型の場合であつて平均20.7%の減收を示し, 次は兩型の同年發現した場合の7.7%減收であつて, 各凶作型が單獨發現した場合は最も輕く平均0.7%の減收に過ぎないことが認められた。<br>3凶作型の各々と日本の米作々況との關係では, 北海道型が最も減收影響大きく, 東北型西南型の順に漸次小さくなつていることを認めた (以上第2表參照)。