- 著者
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宇和川 小百合
斎藤 禮子
苫米地 孝之助
- 出版者
- The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
- 雑誌
- 栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.4, pp.227-235, 1992
- 被引用文献数
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2
全国の100歳以上の長寿者220人を対象にした食物摂取状況調査 (1日分) から, 栄養素等摂取状況, 食品群別摂取量及び摂取食品数を調査した結果は次のとおりであった。<br>1) 栄養素等摂取量を栄養所要量 (試算) と比較すると, 男性はビタミンB<sub>2</sub>, ビタミンCが, 女性はビタミンB<sub>1</sub>, ビタミンB<sub>2</sub>, ビタミンCが満たされていた。しかし, 男性, 女性ともに, 鉄及びビタミンAは低く, 特に鉄は60%に達していなかった。<br>2) 食品群別摂取量は比較すべき数値がないが, 国民栄養調査の結果などを勘案すると, 海草類を除き, いずれも低く, 特に肉類, 油脂類の摂取量が少ない傾向がうかがわれた。<br>3) 日常生活状態別では, 栄養素等摂取量は身体レベルと対応していた。すなわち, エネルギー, たん白質等の多くの栄養素において,"ほとんど寝たきり"群に比し,"寝たり起きたり, または起きてるが動かない"群及び"少し動く, または活発に動く"群のほうが摂取量が多く, 有意の差がみられた。<br>4) 生活場所の影響では, 栄養素等摂取量はすべての栄養素が, 食品群別摂取量は砂糖・菓子類と卵類を除いたほとんどすべての食品が, 入院または入所者のほうに多かった。<br>5) 平均摂取食品数は, 1日16.4±6.6食品で, 食生活指針の1日30食品に比べるとかなり少ない。また, 日常生活状態別でみると"ほとんど寝たきり"群は, 他の群に比べ, 間食を除いて摂取食品数はいずれも有意に少ない結果を得た。