著者
川端 晶子 澤山 茂 瓜生 恵子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.9-18, 1974-01-25 (Released:2010-10-29)
参考文献数
19
被引用文献数
4 or 0

44種の果実類, 3種の果菜類および3種の種実類のべクチンを定量した結果, 新鮮物可食部に対するペクチン酸カルシウムとしての全ペクチン含有量は, 次のようであった。1) かんきつ類4%以上: 温州みかん果皮3.00~3.99%: きんかんパルプ, ぶんたんパルプおよび果皮, ゆずパルプ。2.00~2.99%: ぶしゅかん, ゆず果皮。1.00~1.99%: きんかん果皮, 温州みかんパルプ。0.99%以下: きんかん果汁, 温州みかん果汁, ぶんたん果汁, ゆず果汁。2) その他の果実類2.00~2.99%: ポポー, アボカード。1.00~1.99%: かりん, いちじく, 赤すぐり。0.50~0.99%: りんご (紅玉, スターキング, デリシャス, ふじ, インド, 国光), すぐり, バナナ (エクアドル産, フィリピン産, 台湾産), かき, いちご, キィウィ, マンゴー, パパイア, まるめろ。0.49%以下: 和なし (二十世紀, 長十郎, 幸水), 洋なし, さくらんぼ, プラム, あんず, もも, うめ, クッキンダバナナ, りんご (むつ), びわ, レンブ, ぶどう (キャンベル, デラウェア, ネオ・マスカット, 巨峰), パイナップル。3) 果菜類0.50~0.99%: れいし。0.49%以下: トマト, 西瓜。4) 種実類5%以上: くるみ, らっかせい。1.00~1.99%: くり。全ペクチン中の各抽出区分の比率について, かんきつ類の果汁では, きんかん以外, W-S区がもっとも高く, 果皮およびパルプでは, きんかん以外は, P-S区がもっとも高く, つづいてH-S区であった。その他の果実類, 果菜類および種実類45種のうち, 28種はH-S区がもっとも高く, W-S区のもっとも高いものは9種, P-S区のもっとも高いものは8種であった。総体的に, 熱帯果実にW-S区の高いのが目立つ。
著者
里内 美津子 若林 茂 大隈 一裕 藤原 啓子 松岡 瑛
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.31-37, 1993 (Released:2010-04-30)
参考文献数
18
被引用文献数
8 or 25

難消化性デキストリン (PF) の便通に及ぼす影響について検討する目的で, PF摂取後の糞便重量, 糞便水分量, 排便状態, 便性状, 胃腸症状等について調べた。1) PF10~60g摂取後の便性状は大半がバナナ状~半練状であり, 下痢発症のED50値は2.4g/kg体重と推定された。また, 臨床上問題となるような胃腸症状は認められなかった。2) PF35g/日, 5日の連続摂取で, 糞便重量, 排便回数の増加が認められたが, 糞便水分含有率は変化がみられなかった。3) PF5~10g/日, 5日の連続摂取で, 排便状態の改善が認められた。
著者
濱嵜 朋子 酒井 理恵 出分 菜々衣 山田 志麻 二摩 結子 巴 美樹 安細 敏弘
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.156-165, 2014 (Released:2014-07-19)
参考文献数
25

【目的】栄養状態と口腔内因子の関連については,多くの報告がみられる。これまでの報告は口腔機能との関連について検討したものが多い。本研究では舌の状態など,器質的な口腔内因子に着目し,栄養状態との関連について明らかにすることを目的とした。【方法】対象者は通所高齢者82名とした(男性29名,女性53名,年齢81.5±7.2歳(平均±標準偏差))。栄養状態,生活および食習慣の状況,栄養素等摂取量,食事摂取時状況および口腔内の状況について調査を行い,口腔内状況と栄養状態評価との関連について比較検討を行った。【結果】栄養状態と関連のあった口腔内因子は,“食事中の食べこぼし”と“舌苔の厚み”であった。食習慣では,“間食としてパンを摂取する”,“加工食品を使用する”,“大豆製品摂取頻度が少ない”および“漬け物摂取頻度が少ない”もので,いくつかの口腔内因子との関連がみられた。“食べこぼし有り”の者は,“たんぱく質エネルギー比率”が低いという特徴がみられた。【結論】食事状況や器質的な口腔内因子が栄養状態,食習慣さらには摂取栄養素と関連が認められた。そのため,食習慣についての把握,食事状況や口腔についての十分な観察,食事介助の改善および口腔ケアの実施に取り組むことの重要性が示唆された。
著者
谷中 かおる 東泉 裕子 松本 輝樹 竹林 純 卓 興鋼 山田 和彦 石見 佳子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.234-241, 2010 (Released:2010-10-05)
参考文献数
13
被引用文献数
1 or 0

大豆中のイソフラボンは構造的にエストロゲンと類似しており,弱いエストロゲン様作用を発揮する.2006年に,内閣府食品安全員会は特定保健用食品から摂取する大豆イソフラボンの上限量を,通常の食事に上乗せして30mg/日と設定した.しかしながら,大豆イソフラボンや大豆たんぱく質が含まれている,いわゆる健康食品には イソフラボンの許容上限量が設定されなかった.そこで我々は,大豆が原料となっている加工食品,特定保健用食品を5品目含む健康食品10品目について,大豆たんぱく質と大豆イソフラボン含有量をそれぞれ酵素免疫測定法(ELISA)と高速液体クロマトグラフ(HPLC)法で測定した。8品目における大豆たんぱく質量は表示の90-118%が確認され,ジュニア選手用のプロテインパウダー2品目においては表示の約半分量が定量された.大豆たんぱく質を含む特定保健用食品中には表示の90-122%の大豆イソフラボンが検出された。一方,表示のない大豆たんぱく質強化食品2品目には一回摂取目安量当たり30mgを超える大豆イソフラボンが検出された。このような食品をジュニア選手が過剰に摂取しないよう注意する必要があると考えられた。(オンラインのみ掲載)
著者
荒木 茂樹 伊藤 一敏 青江 誠一郎 池上 幸江
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.235-251, 2009 (Released:2011-03-30)
参考文献数
94
被引用文献数
3 or 0

Although barley has traditionally been one of the most important food grains, the intake in Japan has been decreasing during the last forty years. Barley provides many essential nutrients (carbohydrates, dietary fiber, vitamins and minerals) and functional components (dietary fiber and polyphenol). Studies on the health benefits of barley have been rapidly increasing in terms of the cholesterol-lowering effect, serum glucose and insulin normalization, decreased body fat accumulation, and blood pressure reduction. It has been scientifically proven that the soluble dietary fiber in barley, β-glucan, might reduce the risk of cardiovascular disease (CVD). It is inferred that two principal mechanisms may contribute to the cholesterol-lowering effects of barley and β-glucan: 1) reduction of cholesterol and bile acid absorption from the small intestine, 2) inhibition of cholesterol synthesis in the liver. Barley and β-glucan have therefore been approved as a potential health benefit against the risk of CVD in the United States and Sweden. Recent clinical studies have suggested that the consumption of barley and its products might reduce many risk factors associated with the metabolic syndrome, namely diabetes, hypertension and dislipidemia. This review presents information that will hopefully increase the awareness of professionals and consumers for the health benefits of barley.
著者
立石 絵美 韓 立坤 奥田 拓道
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.323-327, 2004-12-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
12
被引用文献数
8 or 0

The inhibitory effects were examined of a hot-water extract of coffee beans on Kud: Wistar rats by an in vivo oral saccharinity tolerance test (OST), and the in vitro suppression of alpha-amylase and alpha-glucosidase activity. The hot-water extract of coffee beans strongly inhibited the activities of alpha-amylase and alpha-glucosidase, and reduced the postprandial blood glucose concentration by OST. Chlorogenic acid and acarbose strongly inhibited the activity of alpha-glucosidase, and reduced the postprandial blood glucose concentration by OST. However, caffeine, which is a major component of coffee beans, had no such effect. These results suggest that the inhibitory effect of the hot-water extract of coffee beans on postprandial hyperglycemia may have been due in part to the inhibition of alpha-glucosidase by chlorogenic acid which is a major component of coffee beans.
著者
小島 彩子 佐藤 陽子 橋本 洋子 中西 朋子 梅垣 敬三
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.141-145, 2010 (Released:2010-09-10)
参考文献数
25

最近の野菜の栄養価が低下しているという情報が流されている。こうした情報は,単に日本標準食品成分表(食品成分表)の収載値を引用して比較しているが,食品成分表では改訂ごとに分析方法が変更されていることは考慮されていない。このような情報における分析方法の関与について検証する目的で,ビタミンC(VC)に焦点をあて,9種類の野菜のVCを,これまで食品成分表で使用された3つの分析方法,すなわち滴定法(I),比色法(II),HPLC法(III)を用いて比較した。ホウレンソウ,コマツナ,ニンジンのVC含量はI>II>IIIのように明確に年代順に低下した。この実測値の変動は,食品成分表におけるVC収載値の変動とよく一致していた。トウガンのVC含量は食品成分表収載値の変動と同様に方法IIによる実測値が他法よりも高かった。いくつかの野菜では,食品成分表におけるVC収載値の変動が分析方法だけでは説明できなかったものの,全体としては,実測値の変動は食品成分表の収載値の変動とよく一致していた。以上の結果より,過去の食品成分表のVC収載値の変動に対して,分析方法の違いがある程度は影響したことが示唆された。(オンラインのみ掲載)
著者
大宮 めぐみ 清原 昭子 木野山 真紀
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.173-180, 2012 (Released:2012-06-29)
参考文献数
22
被引用文献数
1 or 0

【目的】栄養士・管理栄養士養成課程卒業者のうち,食品製造業,食品流通業等の企業への就職者について,就業実態を調査し,職場で要求される知識・能力を検討する。【方法】半構造化面接法による予備調査を経て,本調査では企業で勤務する栄養士・管理栄養士を対象として,デルファイ法による二回連続の質問紙調査を実施した(対象者数は186人および147人)。調査の期間は第一回調査が平成22年4月中旬から6月下旬,第二回調査は,平成22年8月中旬から10月上旬である。第一回,第二回調査を通じて,自由記述回答の分析には,Berelsonの内容分析法を採用した。【結果】第一回調査は調査対象者186名,回答者数147名(回収率79%,有効回答141名)であり,第二回調査は調査対象者147名,回答者数83名(回収率56%,有効回答81名)であった。回答者の多くが「販売」,「研究開発」,「営業」等の部署で,栄養や食品に関する情報提供に関わる業務に就いていた。また,内容分析の結果,「職場において栄養士・管理栄養士として求められていると感じる知識・能力」については「コミュニケーション能力・相手の話を聞く,立場を理解する能力」,「栄養・栄養学に関する知識」等の31カテゴリが形成された。【結論】食品関連の企業で働く栄養士・管理栄養士は,高いコミュニケーション能力,とりわけ栄養・健康に関する専門知識を理解し,わかりやすく伝える能力が期待されることが示唆された。
著者
安部 景奈 赤松 利恵
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.75-81, 2011 (Released:2011-07-02)
参考文献数
24
被引用文献数
7 or 0

【目的】学校給食の食べ残しに関連する要因を検討すること。【方法】2009年5~6月,都内の小学校に通う5~6年生112名を対象に,自己記入式質問紙調査を行い,その日の給食についてたずねた。調査は2日間,給食の後に行った。調査当日の給食の食べ残しの状況を従属変数とし,食前の空腹感,食後の満腹感,献立の嗜好,喫食時間の過不足,食具,性別,BMIを独立変数として,ロジスティック回帰分析を行い,食べ残しの要因を検討した。同一の対象者に2回ずつ調査を実施したため,一般化推定方程式(generalized estimating equation: GEE)を用いて延べ224名として解析を行った。【結果】有効回答数は延べ222人であった(回収率99%)。多変量ロジスティック回帰分析の結果,喫食時間(オッズ比[OR]=45.31,95%信頼区間[95%CI]=13.46~152.53),嗜好(OR=2.71,95%CI=1.04~7.09),BMI(OR=0.80,95%CI=0.65~0.99)が食べ残しと関連していた。【結論】本研究により,給食の食べ残しに関連する要因には,喫食時間,嗜好,BMIがあることが示唆された。今後は,児童の食べ残しを減らすための栄養教育を行うとともに,学校全体として食べ残しの問題に取り組む対策を考えていく必要がある。
著者
森 博康 丹羽 正人
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.12-20, 2014 (Released:2014-04-26)
参考文献数
36

【目的】本研究の目的は,適切な栄養管理下におけるコンバインドエクササイズ直後のホエイたんぱく質の摂取が,高齢者の身体組成と身体機能に与える影響について検証することである。【方法】対象者は地域在住の高齢者24名(男性6名と女性18名,66.2±4.8歳)とし,ホエイたんぱく質飲料を摂取する群(PRO群:12名)とカロリーゼロのプラセボ飲料を摂取する群(PLA群:12名)の2群に無作為に分けた。運動介入は,週2回9週間に渡るレジスタンス運動と有酸素性運動を組み合わせたコンバインドエクササイズとした。栄養介入方法は,PRO群はコンバインドエクササイズ直後にホエイたんぱく質飲料を,PLA群はコンバインドエクササイズ直後にプラセボ飲料を摂取させた。さらに本研究では,介入中の対象者の栄養状態を把握し,栄養管理を適切に行った。また,介入前後に身体組成や膝伸展筋力,Timed Up & Go(TUG),5 m最大歩行速度などの身体機能を測定した。【結果】PRO群は介入後の除脂肪量(LBM)と膝伸展筋力,TUG,5 m 最大歩行速度の値が,介入前と比べ有意に高い値であった(p<0.01)。また,PRO群のΔLBMとΔ膝伸展筋力,ΔTUG,Δ5 m最大歩行速度は,PLA群と比べ有意に高い値であった(Δ膝伸展筋力とΔTUG:p<0.05,ΔLBMとΔ5 m最大歩行速度:p<0.01)。【結論】本研究の結果より,適切な栄養管理の実施とコンバインドエクササイズ直後のホエイたんぱく質の摂取は,高齢者の骨格筋量や身体機能を改善させる可能性が示唆された。
著者
齋東 由紀 牛尾 房雄
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.165-169, 2004-06-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
13

The dietary intake of biotin, niacin and vitamin B6 was estimated by the total diet method on the basis of the food classification and data on the apparent per capita food consumption in the Tokyo Metropolitan area obtained from the Japanese National Nutrition Survey of 1999. These vitamins were analyzed by a microbiological assay.The respective dietary intake of biotin, niacin and vitamin B6 was 45.1μg/day, 16.0mg/day and 1.26mg/day, these figures exceeding the recommended dietary allowance for adult Japanese females that was established in 2000. The main sources of biotin were meat and eggs, and constituted 30% of the dietary intake.
著者
小島 唯 赤松 利恵
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.213-220, 2015

【目的】学校給食における赤黄緑の3色食品群の群別の食品の出現割合を調査し,3色食品群に掲載する食品の内容を検討すること。<br>【方法】2012年5~7月,東京都の公立小学校19校を対象に,2011年度の学校給食献立予定表を各校12日分ずつ収集した。主食と季節を分け,4区分の季節ごとに,献立の主食が米飯の日の献立,主食がパンの日の献立,主食が麺の日の献立各1日分を,各校の学校栄養職員・栄養教諭の任意で選択させた。献立表より,すべての食品を抽出し,文部科学省の3色食品群に沿って食品を3色または未分類に分類した。各群の食品の出現割合(%)を主食別に算出した(食品の出現回数/解析した主食別の献立の日数×100)。<br>【結果】計16校(回収率84.2%)から主食が米飯の日,パンの日,麺の日各64日分,計192日分の献立を回収した。対象の食品は,210食品,延べ4,813食品となった。赤群の出現割合は,いずれの主食でも牛乳(63回,98.4%)が最も高かった。米飯の日では,次いで,みそ,肉類,大豆製品,魚,わかめ等が上位であり,パンの日では,上位10品目の中に,肉類,乳製品が多く含まれた。麺の日では,肉類,みそ,わかめ,チーズ等が上位に含まれた。<br>【結論】赤黄緑の各群において,出現割合の高い食品が示された。また,出現割合上位の食品の中には,既存の食品群の教材に含まれない食品もみられた。
著者
岸田 典子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.27-36, 1980

こんにゃくの嗜好及び消費消況について, 世代及び居住地域の異なる女性を対象として調査し, つぎのような結果が得られた。<br>1) 板・糸こんにゃくに対する嗜好では, どの対象者でもともに少し好んでおり, 世代別間では有意差が認められ, 大学生に好まれていた。嗜好について, 好き, 普通, 嫌いのものの割合をみると, 板こんにゃくでは大学生を除き, 普通と答えたものがもっとも多く, 好きと答えたものがそれについでいた。糸こんにゃくでは好きと答えたものが多かったのは, 中学・高校生, 大学生, 広島市周辺及び仙台市における対象者であった。嫌いと答えたものは, 板・糸こんにゃくともに非常に少なかった。<br>2) 消費状況について, 1人1回当たりの消費量, 現在の消費頻度, 将来の消費希望頻度, 1人1日当たりの消費量及び充足率をみると, いずれの項目もどの対象者でも板こんにゃくの方が糸こんにゃくより多かった。そして, 各項目の対象者の相違による違いは, 概して, 世代別間において有意差が認められた。<br>3) 食べる理由の「有」ものの割合は, 対象者により異なり, 28.4~80.0%であった。それは, 世代別間で有意差が認められ, 高齢者ほど「有」のものが多かった。その内容をみると, 各対象者とも, 砂おろし, おいしいが上位をしめ, 栄養面と嗜好面の両面がみられた。<br>4) 6種の新しいこんにゃく料理について, 食用経験, 食用意欲及び作製意欲が「有」のものの割合をみると, 各対象者とも酢の物が一番多かった。そして, 食用意欲及び作製意欲は, 世代別及び地域別間で有意差が認められ, 若年層, 島しょ部に低かった。<br>5) 改良すべきと答えたものは, どの対象者においても, におい, 色, 味に多かった。そして, 色, 形, におい, かたさは世代別間で, 味は世代別及び地区別間でそれぞれ有意差が認められ, 若年層, 郡部に多かった。<br>6) 嗜好と消費状況との関係をみると, 好きなものは嫌いなものに比べ, 現在の消費頻度よりも将来の消費希望頻度の方が多く, こんにゃくを食べる理由の「有」もの多く, 理由の内容としては, 栄養面と答えたものが少なかった。
著者
後藤 桂葉 服部 イク 大野 知子 中野 典子 石川 昌子 熊沢 昭子 磯部 しづ子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.223-237, 1982

1940年以後日本において行われた栄養調査のうち, 高校生, 短大生, 大学生を対象とした栄養調査について経年的にその特徴を明らかにすることを試みた。<br>1) 文献数の最も少ないものは高校生を対象としたもので, 多かったのは女子短大生の調査であった。<br>2) 女子大生および短大生調査では, 家政科系でしかも普通の学生生活を営む学生を対象とした報告が多い。栄養素摂取量は1965年以後VAとCaを除き, バラツキの幅が少なくなる傾向がみられる。しかし, VAは1970年以後, 中部地区の調査において低値の報告がみられるところから, 今後の動向が注目される。<br>3) 女子大生調査の傾向は, 短大生と類似していた。<br>4) 食品群別摂取量の記載は, 1965年以後に多くみられた。このうち, 多くの報告に緑黄色野菜の少ないことを示していた。<br>5) 男子大学生は寮生, 寮食の調査が多くみられた。栄養素量では, たん白質摂取量は1958年以後77g程度に集中していた。<br>6) 各文献の報告者が指摘する問題点としてあげられている栄養素は, いずれのライフステージにおいてもVAとCa, 次いで, VB<sub>1</sub>, VB<sub>2</sub>など微量栄養素であった。
著者
石川 みどり 横山 徹爾 村山 伸子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.290-297, 2013

【目的】地理的要因における食物入手可能性(自宅から店までの距離,店舗の種類)と食物摂取状況との関連について先行研究から知見をえることを目的とした。<br>【方法】データベースPubMedを用い,検索式は("food" [MeSH] OR "nutrient")AND("environment" [MeSH] OR "availability")AND("diet" [MeSH] OR "intake")とした。検索された論文238編のうち,ヒト以外を対象としたもの,開発途上国の問題を扱ったもの,栄養生理学研究等の目的とは異なるものを除外し,残りの論文48編の全文を精読した結果,12編を採用した。<br>【結果】地理的要因の距離について,7編では,徒歩で自宅から店まで行くことができる半径 800 m(0.5マイル)を基準としていた。食物摂取状況との関連がみられた店舗の種類には,スーパーマーケット(5編),ファストフード店(5編),フードアウトレット店(2編),コンビニエンスストア(2編)等があった。そのうち,スーパーマーケットは野菜・果物摂取量との正の関連,ファストフード店,コンビニエンスストアはアイスクリーム,塩味のスナック,肉類,菓子類,砂糖入り飲料摂取量との正の関連,野菜・果物,低脂肪食品摂取量との負の関連を報告していた。<br>【結論】地理的要因における食物入手可能性と食物摂取状況との関連があることが示唆された。
著者
森 博康 丹羽 正人
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.12-20, 2014

【目的】本研究の目的は,適切な栄養管理下におけるコンバインドエクササイズ直後のホエイたんぱく質の摂取が,高齢者の身体組成と身体機能に与える影響について検証することである。<br>【方法】対象者は地域在住の高齢者24名(男性6名と女性18名,66.2±4.8歳)とし,ホエイたんぱく質飲料を摂取する群(PRO群:12名)とカロリーゼロのプラセボ飲料を摂取する群(PLA群:12名)の2群に無作為に分けた。運動介入は,週2回9週間に渡るレジスタンス運動と有酸素性運動を組み合わせたコンバインドエクササイズとした。栄養介入方法は,PRO群はコンバインドエクササイズ直後にホエイたんぱく質飲料を,PLA群はコンバインドエクササイズ直後にプラセボ飲料を摂取させた。さらに本研究では,介入中の対象者の栄養状態を把握し,栄養管理を適切に行った。また,介入前後に身体組成や膝伸展筋力,Timed Up & Go(TUG),5 m最大歩行速度などの身体機能を測定した。<br>【結果】PRO群は介入後の除脂肪量(LBM)と膝伸展筋力,TUG,5 m 最大歩行速度の値が,介入前と比べ有意に高い値であった(<i>p</i><0.01)。また,PRO群のΔLBMとΔ膝伸展筋力,ΔTUG,Δ5 m最大歩行速度は,PLA群と比べ有意に高い値であった(Δ膝伸展筋力とΔTUG:<i>p</i><0.05,ΔLBMとΔ5 m最大歩行速度:<i>p</i><0.01)。<br>【結論】本研究の結果より,適切な栄養管理の実施とコンバインドエクササイズ直後のホエイたんぱく質の摂取は,高齢者の骨格筋量や身体機能を改善させる可能性が示唆された。