著者
原田 まつ子 加藤 栄子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.41-47, 1995

糖, Ca, Pの含有量の多いと思われる食品の摂取頻度と身体的・精神的健康状態の関連を明らかにするため, 中学生264人を対象に調査研究をし, 次の結果を得た。<br>1) チョコレート及びチョコレート菓子やコーヒー・紅茶などの摂取頻度から糖の摂取傾向が高いことが, 特に女子において認められた。牛乳, チーズなどのCa含有量の多い食品の摂取頻度は全体では低く, 女子は男子よりも低い。インスタントラーメン類は女子よりも男子の摂取頻度が高い。<br>2) 全体的傾向として, 身体的自覚症状は, 眠い, 授業中あくびがでる, 頭がおもいなど疲労感を中心にした訴えが多く, また, 精神的自覚症状は, 感情的になりやすい, いらいらするなどの訴えが多い。<br>3) 睡眠を8時間以上とっている女子は, コーヒー・紅茶 (33.3%) の摂取頻度が高く,"全身がだるい"(66.7%),"足がだるい"(55.6%),"かぜをひくと寝込む"(77.8%) 訴えが多い。朝食の欠食者は, 男子でインスタントラーメン類の摂取頻度が高く (42.1%),"気が散る"(73.7%) 訴えが多い。<br>4) 摂取頻度が高い食品と自覚症状との関係をみると,"ジュース"と"物事に熱心になれない"(男子),"清涼飲料"と"気が散る"(男子),"コーヒー・紅茶を飲む時の砂糖を入れる量"(男子) あるいは"チョコレートまたはチョコレート菓子"(女子) と"冬になるとよくかぜをひく","ハンバーガー"と"かぜをひくとせきが続いて治りにくい"(男子),"インスタントラーメン類"と"物事に熱心になれない"(男子),"ちくわ・かまぼこ・はんぺん類"と"頭がおもい"(女子) または"頭がぼんやりする"(男子) などの訴えがみられ, 一方,"小魚・ひじき・わかめ"の摂取頻度の高い生徒は"息苦しい"(男子) などの訴えが少ない。

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