著者
津田 はるみ 門倉 芳枝 道 喜美代
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.90-93, 1958

1. 疏菜中のビタミンCは爺ではじめの水温が低いと沸騰水に投じて茄でたものに比し概してビタミンCの損失が多い。芽キャベツ, さやえんどうでもその傾向が見られるが春菊に顕著に見られる。<BR>2. 今回行つた疏菜の中, 春菊, さやえんどう, 芽キャベツはビタミンC酸化酵素の存在が見られた。春菊中のビタミンCを酸化する酵素はカテコラーゼとアスコルビン酸酸化酵素の混合と思われる。一般に酵素作用の強い疏菜に調理中のビタミンCの損失が多いことを認めた。<BR>3. 春菊の不活性酵素液においても或程度ビタミンCの酸化作用が認められた。これは酵素調製中に春菊中のフェノール物質がカテコラーゼで酸化され生成したキノン様物質がピタミンC酸化作用をすると考えられる。<BR>4. 春菊を茄でる時に食塩を添加すると茹身のビタミンCの損失を少くする。ビタミンC酸化酵素に食塩添加の影響を試験した所, 1M濃度ではビタミンC損失を抑制するが, それ以下の濃度では殆んど影響は見られなかつた。

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