- 著者
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山田 吉郎
- 出版者
- JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
- 雑誌
- 紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.3, pp.401-405,020, 2003
紙業界は鉄鋼業界の冷間圧延と同様にワーク速度が極めて速いことが知られている。目視では見ることの出来ぬ速度でワークが流れるのでため比較的早くから自動検査化が進んできている。しかし従来のシステムは数十台のカメラをラインに設置せねばならずカメラ間の感度の差異や取り扱いなど多くの問題点を持っていた。<BR>テクノスは全く新しい原理で, たった1台のカメラで速度が毎分10,000m視野幅1, 666mmの時に0.33mm角の欠陥を捉えるシステムを開発した。このシステムは既に日本を初め, アメリカ, ヨーロッパ (ドイツ, フランス, イギリス, スイス, オーストリア), 韓国で国際特許化された技術で, 「中小企業庁長官賞」, 「新機械開発賞」をはじめ「優秀新技術新製品賞」を3度にわたって受賞したもので, 日本のトップ企業38社のうち製造業には100%, 製造業トップ50社の70%以上に納入実績をもち汎用性と世界一の高精度を誇るものである。<BR>このシステムは高速応答性に優れるばかりではなく, 焦点深度が極めて深くラインのどこにでも, たった1台のカメラを簡単に設置でき, また欠陥の原因を追求する情報を容易にハンドリングできるアクティブ・ナビゲータ機能によって欠陥の原因そのものをなくすための情報を自動的に記録する機能を持っている。出来上がった製品の不良を発見するだけではなく, その原因をなくすことによって全ての原材料を無駄なく使い, エネルギの無駄遣いもなく, 世界で初めての地球に優しい検査・情報提供システムである。原理は人間の目の機能を電子回路化することによって行われる。また同時に微細欠陥と全面に渡る色ムラまでを別々なレベルで確実に検出できるアーキテクチャは最近特許化された。