著者
藤野 篤之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
機械学會論文集
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.12-19, 1935

比例中心距離式に依る標準齒車で齒數の少い場合の缺陷を補ふためには、自在中心距離式を用ゐて齒面のアンダーカッチングを避け、同時に噛合されたときの接觸率及び作用面の値が大きく又滑り比の絶對値が小さくなる様に設計することを要する。從つて優良なる齒形を削成するために最も重要なる點は、齒面とすべきインボリュート曲線部分の選定であるが、これは同時に齒底円の半径を適當に決定することを意味する。著者の命名に依るフルマーク齒車は標準ラック型カッタ又は標準ピニオン型カッタで削成する自在中心距離式のものである。標準ラック型カッタで削成する場合にあつては、組合せ毎に齒の高さが異るから工作及び實用上不便であるが、著者は標準ピニオン型カッタで削成する場合に於て、齒底円の半径を適當に定めると中心距離は前者の場合と等しく、且大齒車の齒數が或る程度を超える組合せにあつては、小齒車の齒數に関係なく齒の高さは常に全高となることを見出した。本論文は標準ピニオン型カッタで削成する自在中心距離式のフルマーク齒車に於る齒底円の半径の決定方法を主として記述し、標準ラック型カッタに依る場合をも併せて叙述したものである。

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