著者
石川 俊平
出版者
動物遺伝育種研究
雑誌
動物遺伝育種研究 (ISSN:13449265)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-11, 2007

通常ヒトの細胞には遺伝子は2個 (2コピー) あり、片方は父方、もう片方は母方に由来すると考えられてきた。しかし近年、個人によっては1個の細胞あたりに存在する遺伝子が1コピーであったり、あるいは3コピー以上存在するといった遺伝子の数の個人差 (コピー数多型=Copy Number Viariation: CNV用語 (1) ) があることが判明し注目されている。疾患のリスク、様々な薬の治療応答性、副作用の違いといった個人の体質差を生み出す原因として、これまではSNP (一塩基置換多型) に代表される個人間の遺伝子の"配列の違い"が良く知られているが、近年見つかってきたCNVは遺伝子の"数の違い"であり遺伝子をまるごと含むような数Kbp~数Mbpの長さの大きな領域の数が個人間で異なるというものである。

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