著者
朝隈 真一郎
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.156-161, 2006
被引用文献数
2

急性低音障害型感音難聴の病因と内耳に起こっていると思われる病態について, この疾患の特徴をもとに推理した。病因としては, 我が国の経済の破綻による社会全体を覆う不安と緊張, それによるストレスが原因ではないかと推察した。内耳に起こっているであろう病態については, 内リンパ水腫による基底板振動の変化, 内耳液の浸透圧の変化, および蝸牛第2回転の外放射状動脈の血行障害の可能性を挙げた。これらの病因と病態をもとに, 治療に用いられるべき薬剤を示唆した。1987年から2004年までの18年間に著者の医院を受診した本疾患の患者数の変遷, 治療成績の動向を示した。現在我が国の経済は立ち直りつつあり社会の混乱は落ち着きを取り戻しつつある。しかし本疾患の患者はなお増加し続けている。先に推理した病因とは別に, より根の深い社会病理学的な問題が介在している可能性についても言及した。

言及状況

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