著者
溝尻 房藏
出版者
The Illuminating Engineering Institute of Japan
雑誌
照明学会雑誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.317-363, 1924

従來探照燈用反射鏡は比較的光學的能率 (Optical Efficiency) の方面を八ヶ間敷く見て製造されて居たものである。それを換言ずれば曲面の性質を幾何學的に八ヶ間敷く云ふ事になる。從來列國の反射鏡製造會社はそれに力を入れて居た。故に各會杜とも相當の品を作り出す様になる迄には製造工場としての相當長年月の経験を練つて來たものである。則ち一夜作りの工場では斯る反射鏡は製造し得ないと云ふ課になるのである。則ち第一章及第二章では其事實を明白にした。故にそれを製出する工場は製作技能を低下させぬ様に、軍用として今差常り必要の無い品物でも不噺に製造を綾けて居なければならない事になるのだ。それがもし軍用以外に用途のない品物であるとすれば、斯る不漸の製造は随分不経濟な話である。然るに外國製造會杜從來の製造方法は斯る精密工業に窺するものであるに拘らず、産出した反射鏡は軍用以外に用途がない。故に著者は先づ第四章に於て、果して斯る光學的能率檜進のみに走る事が探照燈用反射拾としての性能の上より見て必要訣くべからざるものなるや否や銀明削にする爲めに探照燈用反射拾としての性能を論じた。両して其結果として反射拾の光學的能率上斯る僅小なる進歩が探照燈用反射鏡としての照射能力の上に影響する所極めて微細なるものである事を論じ、更に將來に残れる光學的能率上の進歩の拾地が探照燈用としての照射能力増進の上に殆んど影響せざるものである事を明白にした。一方に於て者者は大氣の光吸牧の影響と光波の波長との關係を論究し、それによつて鏡面を光の波長の上より特種の性質を持たしめるならば優に人間の網膜に感じ得る程度の照射能力の差異を與へ得るもので、りる事を確め、それによつて將來の進歩の蝕地が硝子鏡よりも寧ろ金屬鏡の方にある事を結論した。則ち著者は探照燈用反射鏡製造方法研究上の將來の望みを、長波長光線を射出し得る金艦鏡の上に置き夫れが製造方法研究問題として<BR>1.) 「例へ光學的能率が探照燈用ごしての照射能力の上に影響を及ぼさざる程度にまで低下するも、これが爲めに特種精密工業みしての不噺の訓練を要せず、寧ろ不用意の中に一朝の有事に際して直ちに生産し得る方法」てう問題は今日の如き軍和時代に於て國家経濟上極めて重要なる研究問題である事を述べ、2.) 「反射鏡製造が從來列國製造働出く於て保守せらるる如き特種精密工業に馬し其技能をして低下せしめざる爲めに、職箏の有無に拘らず不筋の製造緩績を要ずるものみせば、それに仍て産出せらるる反射鏡は軍用以外今一段の精密を要する用途に適するものたらしむる製造方法」に向つて研究すべきである事を論述した。然るに此<BR>1.) 及び<BR>2.) の要求に應じ得る製造方法をして從來列國反射鏡會社が保守し來れるものの中に登見せんとするも、それは不可能であつてそれは一つに著者の発見に拘る反射鏡製造方法中第本章に示す方法が 2) 、の要求に應じ得るものであり第六章に示す方法が 1) 、の要求に適するものである事を明白にしたものである。

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