著者
神谷 明男 小瀬 洋喜
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.453-463, 1983

食品の腐敗による悪臭成分を知るために, 各種食品を腐敗させ, 経時的にヘッドスベースガスを同定定量した。食品としては魚, 馬鈴しょ, きゃべつ, 米飯, りんごを選んだ。これらを別々に20<I>l</I>のポリエチレンビンに入れ, 3日目と1週間ごとに2ヵ月間, そのヘヅドスペース中の成分の機器分析を行い臭気濃度, 不快度も調べた。その結果, 食品の種類は異なっても発生してくる化合物は類似している.しかし濃度的には食品間に大きな差がみられた。<BR>魚は硫化物が高く, 他の成分はひくい。きゃべつは硫化物とアルコールが同程度の濃度であり, 馬鈴しょ, 米飯, りんごはアルコールが高濃度であった。硫化物濃度の高いものほど悪臭が強く, アルコールと悪臭は相関がみられなかった。腐敗後, 2週間は, 発生する化合物の濃度は急上昇するが, 以後平衡状態であった。醗酵によって生じたアルコールと脂肪酸が反応してェステルを生じる現象がどの食品についてもみられた。

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