著者
徳岡 研三 福井 義弘 山口 義信
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.1998, no.604, pp.59-72, 1998

レールの継ぎ目部に設定されている遊間は, レール温度上昇時に発生する軌道座屈, 及びレール温度下降時に発生する継ぎ目板ボルトの曲がり・折損を防止するために設けられている. 従って, その管理は列車運転の安全を確保する上で極めて重要である. 本研究においては, 従来の遊間管理手法を改善し, これを実務に適用した成果について述べるとともに, 改善された手法から算出される危険度について, コンピュータ・シミュレーションから得られた結果と対比させ, その有効性について論証した. その結果, 改善された手法による危険度は, 危険度が大きい, 即ち軌道座屈の安全性の観点では危険領域にある部分で, 十分な信頼性のあることが定量的に確認できた. このことは, 改善された手法の導入以来, 軌道座屈による鉄道事故がほとんど発生していないことを理論的に証明するものである.

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