著者
尾崎 雅征
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.264-275, 1977
被引用文献数
2

口輪筋と顎筋との間に存在する機能的相関関係とその背後にある神経-筋機構を明らかにするためヒトについて種々の口顎運動時の口輪筋および顎筋活動の相互関係を分析した。咀嚼の際, 口唇の筋活動は特に開口および閉口動作時に生じその活動パターンおよび活動の時間経過は舌骨上筋群の筋活動に類似した。口唇は閉口動作時に比べ開口動作時により著明に活動した。なお開口動作, 口角をひく動作, 口をすぼめる動作および筒を吹く動作等の口顎運動の際, 口唇のみならず舌骨上筋群も活動に参加した。咬筋活動はその間, 微弱であるか或いは認められなかった。咬みしめた状態で口唇に力を入れると咬筋活動は著明に減少し, 逆に口唇に力を入れた状態で咬みしめると口唇の筋活動は著明に減少した。<BR>以上より, 口唇は開口筋 (舌骨上筋群) と協調的に働き, 閉口筋 (咬筋および側頭筋) とは相反的に働く傾向が存在することが明らかとなった。

言及状況

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CiNii 論文 -  口輪筋と顎筋の間に存在する機能的相関に関する研究:I. ヒトの両筋の活動様式について https://t.co/r6UzlK8C0x

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