著者
新谷 洋二
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.9-16, 1987

近世初頭に建設された城下町の多くは現在も都市として生き続けているため、その成立の経緯・時期は都市計画史などの上で重要である。前回の論文で、中部、大類・鳥羽、玉置による城と城下町の建設史年表を基礎にして作成された小川の一覧表について、作成に当たっての問題点を提起するとともに、8ケース・スタディを行い、正しい表現のあり方について検討した結果、さらに数多くのケース・スタディを積み重ねることが必要とされた。このため今回の論文においては、以上の課題を明確にするため、前回に引き続き、年表作成上、問題点の見出だせる幾つかの城と城下町のうち、岩出山・丸亀・宇和島・高崎・仙台・福岡・松山・秋田・大垣・彦根・萩・浜田の各城についてケース・スタディを行い、それぞれ個別に検討することにより、個別に存在する問題点を摘出した。こういった検討を積み重ねることにより、全体の内容について、正しい表現のあり方を考究するとともに、城郭史年表に関して試論的な検討を行うことによって、土木史年表の作成に当たって検討すべき課題を考究することを目指した。(城、城下町、年表)

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