著者
新崎 盛敏 徳田 広 藤山 和惠
出版者
The Botanical Society of Japan
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.811, pp.39-44, 1956
被引用文献数
18

1. 邦産のミルは初冬から現われ始め春夏に繁茂し, 夏から初冬に雌雄の配偶子嚢を作る。性分化は雌雄異株体が多く雌雄同数位であり, 同株体も少し混るが, それ等の出現状態は場所, 時期により相異がある。<br>2. 配偶子は雌雄で大小の差があり, 接合は運動中に行われる。接合子は発芽して隔壁のない管状枝からなるフサフサした叢生体に成る。この叢生体は海中のミル本体とは全く違った形態であるが, ミル体の緑叢根の構成枝またはミル体を実験室内で培養した時に出る新生枝と全く似ている。<br>3. ミル体が出来上るのは恐らく上記の様な叢生体の体枝がからみあつて, 初めはマツト状の緑叢根に拡がりやがてその一部で体枝が密にからみあい乍ら直上突出して本体を造るものであろう。その際からみあう体枝が1ケの接合子に由来したものだけからなる単元的個体, または複数の接合子に由来した枝からなる複元的個体もある筈である。ミル体の形成過程がこの様に種々な場合がある事が性分化の様相が区々である原因になるのではなかろうか。

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こんな論文どうですか? ミルの生殖と体成形(新崎 盛敏ほか),1956 https://t.co/0PJRWGVk0S 1. 邦産のミルは初冬から現われ始め春夏に繁茂し, 夏から初冬に雌雄の配偶子嚢を作る。性分化は雌雄異株…
こんな論文どうですか? ミルの生殖と体成形(新崎 盛敏ほか),1956 https://t.co/0PJRWGVk0S 1. 邦産のミルは初冬から現われ始め春夏に繁茂し, 夏から初冬に雌雄の配偶子嚢を作る。性分化は雌雄異株…

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