- 著者
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二村 直樹
松友 将純
安村 幹央
立山 健一郎
多羅 尾信
阪本 研一
- 出版者
- 日本腹部救急医学会
- 雑誌
- 日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.1, pp.73-77, 2004
餅による食餌性イレウスの2例を経験したので報告する. 症例1: 66歳の女性. 主訴は腹痛, 嘔吐で, 腹部に腹膜刺激症状を認めた. 血圧は74/36mmHgと低下していた. CT検査で小腸の拡張と小腸内にhighdensity tumorを認めた. ショックを伴ったイレウスの診断で緊急手術を行った2. 回腸末端より口側30cmの回腸内に白色調の硬い異物を認め, 同部より口側の小腸が拡張していた. 腸切開を行い餅を摘出した. 症例2: 76歳の女性. 主訴は右季肋部痛で腸閉塞の診断で入院した. 入院日に腹部CT検査で胃内と小腸内にhigh density tumorを認め, 上部消化管内視鏡検査で胃内に餅を認めたため, 餅による食餌性イレウスと診断した. 入院翌日の腹部CT検査で胃内の餅は十二指腸へ移動し, 小腸の餅も移動がみられた. 保存的に治療を行い, 軽快した. 餅はCT検査でhigh density tumorとして腸管内に認められ, 餅による食餌性イレウスの診断に有用であると考えられた.