著者
賀数 康弘 福島 淳一 久保 和彦 小宗 徳孝 門田 英輝 君付 隆
出版者
JIBI TO RINSHO KAI
雑誌
耳鼻と臨床
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.30-36, 2008

外耳道から中耳に及ぶ扁平上皮癌に,乳突洞削開による腫瘍摘出術と放射線治療を行った後, 5年が経過して気脳症を発症した症例を経験した。髄膜炎と水頭症を併発し,意識レベル低下が見られて危篤状態となったが,保存的治療で症状は軽減した。最終的に内耳を含めて側頭骨腐骨部分を摘除し,死腔と硬膜損傷部位を遊離腹直筋弁で充填,閉鎖した。現在まで腫瘍も髄液瘻も再発していない。側頭骨へ照射を行った後に生じるさまざまな合併症の中に髄液漏や本疾患も含まれる。本疾患発症の場合,髄膜炎や脳炎など重篤な頭蓋内疾患を合併して致死的経過をたどる場合もあり,照射を行った患者に対する経過観察においては癌の再発のみならず本症例のような合併症にも留意すべきであると考えられた。

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