著者
梅津 元昭
出版者
THE SOCIETY FOR REPRODUCTION AND DEVELOPMENT
雑誌
家畜繁殖研究會誌 (ISSN:04530551)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.87-93, 1973

PMS注射による幼若雌ラットの排卵誘起に対し,アンチエストロジェン作用を有するクロミヘンを処理することにより排卵の抑制がみられるが,今回はその排卵抑制に対するエストロジェンおにびプロゲスチソの影響について種々の検討を加え,次の結果を得た。<BR>1) 24~26日令のラットを用い,3IUのPMSを注射後6時間にクロミヘン2.5mg/100 g b.w.を注射した時,排卵の抑制がみられ,排卵は1日遅れた。子宮除去ラットでも同様の結果が得られた。<BR>2) 上記のPMSおよびクロミヘン処理で,PMS注射後エストラジオールを種々の時間に単一皮下注射したところ, PMS注射後3時間のエストラジオール0.5μg, 5μg処理,6時間,9時間および51時間のそれぞれ5μg処理で高い排卵率が得られ,排卵抑制効果はほぼ打ち消された。<BR>3) 同様に, PMS処理後プロゲステロンを種々の時間に処理したところ,PMS注射後45~54時間の0.2mg, 2mg処理で高い排卵率を示した。<BR>4) PMSおよびクロミヘン処理でPMS注射後51時間にコルチゾン•アセテート,コルチコステロン,17α-ハイドロキシ•プロゲステロンを0.2mgおにび2mg処理したが,排卵は全くみられなかった。

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